第32話 健太くんのバーカ!
それは刻々と迫ってきていた。
全生徒の敵となりうるあのイベントが。
生徒はそれぞれ、迎え撃つために準備をしていた。
憎き期末テストのために。
◇◇◇
「健太くーん?今週の週末、予定開いてる?」
ある日の朝、すずが俺に聞いてきた。
いつもなら、多少の予定が入っていても、すずの要件を優先しようと考えるのだが、今回は、そうは行かないだろう。
「開いてるといえば開いてるんだけど、、、来週の期末テストのために、今週はテスト勉強しないといけないから、どこかに行くのは厳しいかな、、、」
高校に入ってから、中学の頃より更に勉強が難しくなり、特に英語に関しては、テスト前に復習しないと、テストの点数が取れないレベルになっていた。
すず、ごめん! そう思ってすずに断りの意思を口にする。
しかし、それを待っていたように、とびっきりの笑顔で、こう言った。
「二人だけでテスト勉強したいんだけど、、、レストランかどっかでテスト勉強会やらない?」
「な、なに、、、!」
確かに英語を勉強するとき人がたくさんいたら、和訳とか英作文とかを見せ合うことができて、とても効率的だと思う。
―――うん!じゃあ、そうしよっか!
そう言いかけたところで、ふと、ある考えに至る。
すずは以前から男子のことが基本的に苦手で、それを克服したい、と俺にいっていた。
そしてテスト勉強中なら、相手がどんな性別かになんて気にならずに議論しやすいのではないだろうか。
つまりこのテスト勉強にすずのことを絶対に変な目で見ないと信用できる男子――つまり裕太、翔太、貴司の3人の俺の友達――と一緒にテスト勉強会をやれば、すずにとって男子が苦手だという意識を払拭する、いいチャンスなのではないか?
そう思って、すずに尋ねてみる。
「俺だけじゃなくて、俺の友達の、裕太、翔太、貴司を読んでもいい?あいつらなら、すずのこと絶対に変な目で見ないって俺が保証するし、あいつらと話し始めたら、男子嫌いを克服できるかもしれないし!」
我ながら、明暗だと思って、すずに提案する。
ただ、すずは俺に不満げな顔を向けていた。所謂、ジト目と言うやつだ。
何か気に入らないことでもあっただろうか、そう思って考えてみる。
そして、
「あ!いきなり、女子一人だけは、ハードル高かったか!じゃあ、森山さんも誘ってみるか!これで大丈夫かな?気付けなくてごめんね!」
一気にいいきったが、これで、彼女の不安要素が取り除けただろう。
そう思って笑いかけると、すずはなぜかため息を一つついてから、
「ウウんゼンゼンダイジョウブダヨ」
と言った。棒読みなのは、気になるが、
そう考えていると、すずは気を取り直したというふうに、顔の表情を戻して、
「わかった!富樫くんに横田くんと柴田くん、ななちゃんに、私達ね!じゃあ、みんなに予定聞いとかないといけないね!」
そう言って森山さんの、ところに歩いていった。
――去り際にすずが、
「健太くんのバーカ!」
といったのが聞こえた。解せぬ。
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健太!鈴音のこと早く独占しちゃえよ!
鈴音は、健太のこと待ってるぜ!
さてさて、
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