第17話 初デート(仮)①
「健太君お待たせ!待った?」
「いや、俺も今きたとこだよ…」
そう言いつつ、俺は固まった。
あの会話から一週間。はじめての休日の4月25日の10時。場所は俺らの学校の最寄駅。時間より少し早く現れた香川さんは、落ち着きのある私服を着ていた。
制服を着ていてもかわいかったのに、デニムジャケットにベージュ色のロングスカートを組み合わせた香川さんの姿は、女子と出かけること自体が久しぶりな俺にとって一発でKO寸前だった。
「どうかした?やっぱり服装変だったかな?」
そう言って心配そうにこっちを見つめてくる香川さんを見て、今日は香川さんを不安にしてはいけないのだ、と思いながら、
「ううん!というか、むちゃくちゃ似合ってると思うよ!こんなかわいい子と今から出かけるんだなーって。」
といった。
言った後に、かわいいというのは中二の時の夏祭りを思い出させるようでまずかったんじゃないかと思った。しかし、香川さんは、
「っ、、、!あ、ありがとうございますぅ、、、」
と、めちゃくちゃ照れていた。
「とりあえず行こうか!」
気まずくなりそうだったので、とりあえず目的地に行くために歩き出す。そして
(俺、さっき何気に可愛いって言ったよね⁉)
と、今更のように恥ずかしくなり、顔を真っ赤にしたのだった。
◇◇◇
そのあと、電車で街中の駅まで行き、そこから三分くらい歩いて香川さんをある建物に連れてきた。ちなみに今日行く場所については香川さんには何も伝えていない。
「ついたよ!」
「ここは…?」
目的地に着いたが、香川さんは来たことがないのか、不思議そうな顔をしている。
「ここ、つまり今日の目的地は水族館だよー!」
「へー!こんな街中に水族館あるんだね!全然知らなかった!」
「結構最近できたからね。ちょっと待っててね!入場券買ってくる!」
そう言ってチケットカウンターに行って、入場券を買いに行く。
今回は、男子への苦手意識を無くすためのお出かけだが、鈴音には普通に楽しんでもらいたいと思っていた。そう思っているところで、たまたま教室で鈴音がペンギンやイルカの絵を描こうとしているのを健太は見た。だから、健太は水族館をお出かけの目的地に選んだのだった。
(ちゃんと楽しんでくれたらいいな、、、)
列に並びながら、そう思う健太だった。
◇◇◇
チケットを買いに、健太が鈴音と別れてから1分もたたない内。
鈴音は知らない男たちに囲まれていた。
「おねーちゃんかわいいね!これから一緒に遊ぼうよ!」
中2の夏祭りの時と同じセリフを言われ体が思うように動かなくなる。
「何も言わないってことは、いいってことかな?そうだよね!」
このままだとこの人たちにつれていかれる。そう思った時、
「お前ら、俺の彼女になにしてんねん!」
そう言って怒りながらその男たちに迫って行く健太の姿があった。
「次こんなことやったら、ただじゃおかんからな!覚えとけ!」
そういうと健太は鈴音の手を引いて素早く男から離れ、水族館の方に歩いていった。
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ついに、、、1万PV達成できました!いつも読んでくれてありがとうございます!
個人的には、思ったより早く達成できて、嬉しいです!
というわけで次は予告通り、1万PV達成記念SSを書きます!
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