第13話 研修旅行⑤
その後1日目は何事もなく終わった。
具体的にいうと、食堂でご飯を食べて、キャンプファイヤーをみんなでしたあと、風呂に入って寝た。電気が消えたあと、『どの女子が今1番気になるのか』なんて話を、、、することもなく寝た。なぜって?オリエンテーリングで張り切りすぎたのだ。
そして、早く寝たおかげで、目覚めのいい朝になった。
手早く支度をして、朝食会場に向かいながら、今日の予定を思い出す。
たしか、今日は、、、昼までは各自、自由に探索して、そのあとカレー作りだったはずだ。
今まで先の予定を考えることなどなかった俺だが、流石に班長になったからには、仕事を全うできるようにとこの一週間、ずっとこの後の予定を考えながら生活してきた。ダラダラしていた俺にそんなきっかけをくれたのだから、班長になって悪いことばかりじゃ無いのかもしれない。
朝食を食べ、その後の午前中の自由時間は、裕太の呼びかけでクラスの男子全員でバスケをした。裕太や貴司のように運動神経がいい人も俺や翔太のようにそんなに運動神経がよくない人も、楽しくやることができたのでよかった。
そして昼食を食べた後、ついにカレーづくりがはじまった。
材料は、米,カレー粉,ジャガイモ,ニンジン,タマネギ,豚肉が用意されている。
それを前にして貴司と翔太がが、顔を真っ青にしていた。
「どないしょう、、、。俺料理とかしたことないがあらへん。」
「小学校のカレー作りの時は料理できそうな女子に丸投げしとったからな。」
「ほんまにそれよ。俺なんかカップラーメンすら自分で作れへんのやで。」
「それは自慢になってないよ、、、あと、作ったカレーは全部食べ切らんといかんらしいよ。」
「え!はよ帰りたかったのに!」
「だから、うまくつくらんといかんのよね。でも、どうしよう、、、」
2人はまだ知らないのだ。裕太の特殊能力を。彼は、勉強ができない分、ほかのステータスに全振りしているのだ。しかも家庭科は彼の得意科目だ。故に、
「よし!健太は人並みに料理できた方はずだから野菜を切って。翔太は火おこし、貴司は米を研いでくれ。肉は俺が切るから。」
このように颯爽と指示することができる。
「お前、ほんまにすごいんやな。」
「褒めるのは帰ってからにして。早く作って早く帰るんだろ?」
「おう!」
感動する翔太を軽くあしらって、作業を開始する裕太を見て俺より班長に適任なんじゃないかと思わないこともなかったが、そのまま作っていく。
◇◇◇
〔40分後〕
「すごいね、裕太。こんなに美味しいカレー初めてかも!」
作ったカレー美味しそうにを食べながら、貴司が感動している。
何がすごいのかというと、カレーに入っている肉が、歯がなくても食べられるんじゃないか、というほど柔らかく、そのおかげか肉からいい味が出ていた。そしてそれは、裕太の凄さを認めざるを得ない出来だったのだ。
そうやって美味しいカレーを作ったことですぐに食べきり、片付けも早く終わらせてしまってさっさと寝泊まりをするログハウスに帰ったのだった。
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次回で研修旅行旅行は終わりです。そして次からはラブコメ要素が久しぶりに出てくると思います。
さて、新学期が始まりました。更新が遅すぎてごめんなさい!新学期のリズムが作れるまでもうちょっと不定期での更新になると思います。
それでは、皆さん!頑張っていきましょう!
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