第12話 研修旅行④
「森下、おまえが最初の人で間違い無いな?ではお題は、、、これだ!」
そう言って、体育の先生に他の人から見えないような角度でホワイトボードを見せられる。そこには、『侍』と書かれていた。これなら伝わるだろうと思って、みんなのところに戻ると、自分の考えが甘かったことに気づく。
俺が先生のところに行っている間に決めた残りの順番は、翔太⇒貴司⇒裕太の順番に決まったらしい。つまり裕太が答えるということだ。裕太には普通の人の常識なんて通じないと思った方がいい。頭に野球しか無いような脳筋だからだ。
(ん?待てよ、野球?これなら翔太に通じるかもしれない!)
脳筋の裕太にさえ伝わればいい、そう割り切って俺は思い切ってジェスチャーを翔太に見せる。
そのジェスチャーは野球の素振りの真似をして、そのあと自分の心に手を置く。
もちろん、翔太は意味不明だというような顔をしていたが、後ろを向いて同じように伝えていく。そして、同様の反応をした、貴司から伝えられた裕太は、少しの時間考えてから、
「野球、心、野球、心、、、野球関係で自分が心の中で一番なりたいと思っていること、、、日本代表になる、、、アッ!侍ジャパンの『侍』だ!」
「おっ!正解だ!チェックポイントクリアだ。!」
「「―――はっ?なんでだよ(やねん)!」」
先生がびっくりしながら、正解だと伝えてくれたのと同時に、翔太と貴司が、わけがわからないといった様子で突っ込んでくる。俺はなんとなく裕太の思考回路がわかっているから、ピンポイントのジェスチャーを出すことができた。ただ、翔太と貴司は初めてのことだから驚くのも当然だろう。
「いいか?ふたりとも。裕太には今まで君たちが生きてきたような生ぬるい世界観が通用すると思ってると痛い目を見るぞ。こいつは、このがっこうにいるべきではない、脳筋なんだからな。」
「―――なんかつっこみどころいっぱいなんだけどね?まあ、裕太が脳筋なのはわかったけどさ、なんで君はそこまでわかってジェスチャーできるの?怖いんだけど?」
「それは俺と裕太が長い付き合いで、お互いの考えがわかるからだけど?」
「でも、君もその考えについていけるどころか先回りできるんだよね?それって、、、」
「健太、お前も自分で気づかん間に脳筋になっとるで?」
「違う!!俺は脳筋じゃない!」
俺の弁解もむなしく、俺は二人の中で、脳筋ということになってしまった。
――――――ちなみにオリエンテーリングの方はその後何事もなくゴールし、2位に10分も差をつける圧勝だった。ただ景品は消しゴム一個というあまりにもしょぼいもので、班員全員でブチ切れた。チックショー!
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今更感強いんですけど、作者がエセ関西弁なので、翔太の関西弁で使い方違うなー、とおもったら、遠慮なく指摘よろしく!
応援コメント、星、ハートが書く活力になるのでよろしくお願いします1
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僕が心病みそうな時によく書いてた詩を「詩集」という名前でだしてます。よかったらみてください!
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