第11話 研修旅行③

 「班員全員揃っているな!それでは、位置について、よーいドン!」

 その言葉と同時に川口先生がホイッスルをならす。それを聞いて俺らの班は森の中へと駆け出して行った。オリエンテーリングだ。


 オリエンテーリングとは森の中においてある看板を地図をもとに探し出し、そこに書いてある文字を記録していく仕組みのアクティビティだ。協力して探すことで、団結力が得られるので、遠足や研修旅行によく行われる。


 さらに班ごとの順位も付き、良いスコアを取って優勝すると、景品がもらえるとあって、貴司と裕太が特に燃えていた。二人は始まる前から分担を決めていて、基本的に運動神経がいい二人で手分けして、看板を探し、二人に比べると運動神経の劣る翔太とさっき酔ってしまった俺で手分けして荷物を運ぶという方法になった。ただし、このオリエンテーリングには、先生が配置されているチェックポイントというものが存在して、先生が発表するミッションをこなしてから班員全員で通過しないといけない。だから各自の役割を全うしつつ、終わったらチェックポイントあたりで合流する、ということになっていた。


 そして、スタートした俺らは、貴司と裕太が自分の持ち場に向かって走っていき、俺と翔太は全員の荷物を二人で手分けしてチェックポイントへの最短ルートを目指すために歩いていった。

                 ◇◇◇

                〔30分後〕

「ただいま〜!疲れた!」

「おかえり、貴司!早かったな!」

「裕太、お前がいうか?それ。俺より先についてるやつが?」

「まあ、そうだけど、お前も十分速かったよ。」

「クソ!これが勝者の余裕ってやつか!」

 今の会話の通り、貴司は自分の持ち場をかなりいいペースで回ったが、裕太が規格外レベチの速さで回り終わり、なんと荷物持ちの俺と翔太より早く集合場所についていた。

「ほんま、裕太には叶わへんなぁ!」

「悔しいけど、そうやな。」

「まあ、二人ともお疲れ様って事で!じゃあチェックポイント行こう!」

 裕太のことであーだこーだ言っている二人を俺はうまくまとめて、チェックポイントに向かった。

                  ◇◇◇

「お前たち早かったなぁ!一番乗りだぞ。」

チェックポイントにいた先生は初めてみる先生だった。が良かっただから、体育の教師だろう。ただし、怖い印象はなく、むしろ“早かったな”と言ってくれたことで好印象だった。


「じゃあチェックポイントのミッションを、発表するぞ!ミッションは、、、ジェスチャーゲームだ!俺が一人にお題を出すから四人を通して最後まで伝えるんだ!わかったか?じゃあ最初の人を選べ!」


単純でいいミッションだと思った。そして話し合いの結果1番目の人は俺になった。絶対頑張って次に繋げてみせるぞ!

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更新が遅れていてすみません!実は作者はまだ社会人ではないので、冬休みの課題という忌々しいものがあるんです。三学期になったら安定したペースで出せると思いますので少々お待ちください!

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