第5話 班決め

「えー、一年生では、生徒間の絆を深める目的で開催される研修旅行をはじめ、クラスマッチに文化祭そして体育祭などのイベントも目白押しです。『程よく勉強して程よく楽しむ。』そんな学園生活にするためお互い頑張りましょう!」

 最後の人の自己紹介が終わったあと、先生がそんな感じのことを言っていた気がする。ただ、香川さんが同じ学校だったこと、さらには同じクラスになったことへの驚きがだんだんと膨らんできたので、上の空だった。


 その後高校で使われる教科書の配布が終わり、ホームルームが終わるかと思いきや、最後に、高校生活最初のイベント・研修旅行の班決めをすることになった。このイベントは近場の少年の家に行って、さまざまなレクリエーションをするらしい。班は男子4人班を作らないといけないらしく、裕太しか当てのない俺にとって、残りの2人誰を誘おうか、と考えていた。


「良かったら俺らと班組んでくれへん?」

 だからそう言われた時は、自分のことではないと思った。しかし声の発信元を見ると、俺の方を見ている二人組がいた。

「ごめん。お名前は?」

「一応さっき言ったんやけど、横田翔太やで」

「僕は横田の友達の、柴田貴司です。」

「ごめん、さっきの自己紹介はなんかぼーっとしとったみたい。それで俺と組んでくれるの?」

「おう、実は俺らも関西ペンギンズのファンやさかいね!」

 マジか!あのてきとうな自己紹介を聞いてくれるとはありがたい限りだ。

 

 横田くんは高身長で強面という同性が近寄りがたい外見なのだが、それと裏腹に軽い感じの関西弁が入っていてギャップがすごい。

 一方の柴田くんはなんとなく優しい上にキッチリしていて横田くんといいタッグを組んでいる、そんな印象を受けた。


「そうなんだ!俺なんかでよかったら逆にお願いします!」

「こちらこそ! と言うことはあと1人だね。誰かいないかな・・・?」

「俺に1人連れがいるんだけどいい?」

そう言って裕太を呼び寄せる。裕太も班決め難民になっていたようで、顔を輝かせて嬉しそうに初対面の2人と自己紹介をしあっていた。


・・・ちなみに俺は班長を押しつけられた。なんでだよ!

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健太に高校ではじめての友達ができてよかったですね!

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