第3話 担任ガチャ
教室に入ってから俺は先程の「友だちを作る!」という意気込み虚しく机に突っ伏した。もちろん友達を作らないと後々困るっていうのはわかる。
でも今日の朝の事件にどっと疲れてしまった。だってそうだろ⁉︎人助けしたのにあんな嫉妬と非難の視線を大量に浴びたんだぞ?こんな理不尽なことがあっていいのか?いや、いいわけがない!(反語)
それにしても今日の女子むっちゃ可愛かったな。また通学路で会えたらいいなぁ…。あ、だめだ気まずいからあっても話しかけられんわ。まぁでもあの子に怪我はなさそうだし、それだけでもよかったかな。
そんなことを突っ伏して考えていると、チャイムがなった。なんだか中学のチャイムより音程が低いような気がする。しかしそれを気に留めず頭を上げると、ちょうど担任らしき男性が入ってくるところだ。
「こんにちは。担任の川口哲平です。高校に入っていろんな心配をしている方もいると思います。しかし我々教師が精いっぱいあなたたちの学校生活をサポートしていきたいと思いますので、一年間よろしくお願いします。」
そう挨拶すると、まばらに拍手が起こる。かなり物腰が柔らかい先生だな。これは結構担任ガチャあたりを引いたかもしれない。
「何か質問はありますか? はい冨樫くん」
裕太はいきなり手を上げたようだ。活発で物怖じしないとこが裕太の唯一の良いところと言える。
「先生はなんの教科の先生なんですか?」
あーそれは俺も気になってたしナイス裕太!
「国語科の教師をしていて、今年度は高1、つまり君たちの学年の古文と漢文を担当します。」
なるほど。だからこんなに物腰が柔らかいのか。でもこんな物腰が柔らかくて優しい声で古文の授業してきたら、多分寝ちゃうよなぁ。気をつけないと。
そうやって自分を戒めていると急に先生が爆弾を落とす。
「じゃあ私の自己紹介も終わったので君たちにも自己紹介してもらおうかな!では出席番号の若い方からどうぞ!」
…はい?そんなの聞いてないから考えてきてないんですけど⁉︎
幸い「もりした」だから回ってくるまで時間はある。この自己紹介が黒歴史にならないようにまともな自己紹介を作るというのが、高校での最初の問題になった。
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皆さんの高校の時の担任はどんな先生でしたか?ぜひコメントで教えてください!
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