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「………ちょっと、あんまり俺の妹をイジメないでくれるかな?」
まるで月明かりの様な純白の髪をした青年が、突如ぷん座右衛門の隣に現れた。神々しく光り輝くオーラをまとい、青年はぷん座右衛門の瞳をじっと覗き込む。
「妹が世話になっているね、お侍君。君たちの事はずっと空の上から見守っていたよ。」
「………お主が、リンドウなのか?」
「いかにも。」
「なぜ人の姿をしている?」
「だって、鳳凰の身体は殺されてしまったから。」
「分身が出来るのか?」
「そんな訳ないだろう、忍者じゃあるまい。」
微笑んだ顔はまるで人形のように美しい。
「なぜ蘇ることが出来た?それも空界のまじないか?」
「うーん、君には何て言えば伝わるかなぁ。まぁ要するに、この身体は実体がないから、幽霊みたいなもんさ。」
「ならば何をしにここに来たんだ?」
「君があんまり妹をイジメるもんだから見ていられなくなってね。来ちゃったんだよ………それと、約束を守れない悪い奴らを退治しに来たのさ。」
「触れる事も出来ぬお主に何が出来る?」
「あぁ、確かに触ることは出来ない………けれど」
リンドウがそっと手を当てたぷん座右衛門の背中に、温かい気を感じる。その箇所から次第にジンジンと身体全体に力が行きわたる………。
「こうやって、力を与える事は出来るさ。本当はもう、限界だったんだろう?お侍君の体力も。」
「………………。」
「俺は守護神だから、何かを守る時に力が最大限になる。」
「………つまり………?」
「そうさ、怒った君と、妹を守る俺と、今こそ我らは天下無敵の男って訳さ。」
「ならばその言葉に甘えて、少し力を貸してもらおうか、リンドウ殿。」
「…………さぁ、行こうか。」
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