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「よう、玄助。」



「あ、旦那!どうしたんです?」



「お前運び屋だから、珍物問屋の長十郎って知ってるか?」



「ええ、そりゃあもちろん……表向きは人当たりの良い問屋の店主、だか裏の顔は悪名高きあの鬼竹組きちくぐみの一味だって噂があるんですよ。まぁ、近付かないに越したことは無いっすね!」



「そいつの所に案内してくれないか?」



「……俺がたった今言った事、聞いてました??やめた方がいいですよ、旦那がお侍さんなのは見て分かるけど分が悪過ぎるぜ。」



「ちょっと用があってな、どうしても行かねばならん。」



「………旦那………。」



玄助は渋々ぷん座右衛門を長十郎が昼間顔を出す珍物問屋の元へと案内した。



「無茶はしねぇで下さいよ、ぷんさん……。」



そう言い残し、玄助は仕事に戻っていった。

細い路地を通り裏口に回る。勝手口から中の様子を伺うと、そこには信じられない光景が………なんとそこには、壁一面に青く輝く羽が張り巡らされていたのだ。その羽の輝き方は、スズランの物と瓜二つだった。

扉の外に立つぷん座右衛門に気が付いた女将が驚いて声を掛ける。



「あんた、何の用だい?」



「長十郎殿はおるか?話がある。」



「主人は今留守にしてるよ!用があるんなら出直しておくれ。」



「どこに行かれたか分かるか?」



「さぁね……双子山に行くとか何とか………」



「…………!!!」




それを聞いたぷん座右衛門は女将に何も言わずその場を走り去った。




「畜生、行き違いだったか………間に合え…………間に合え……………!!」







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