第233話 立派な子供園?の設立
遊具に事故はつきものだ。何せ使うのはまだ夢中になると周囲が見えなくなって、突進してしまう幼児だからだ。
だからと言って常に全員を監視できるわけではない。
だが、それでも極力安全に遊ぶ事が出来るよう、努力はした。
そしてここを子供園と仮称をしたんだが、これをモデルに世界中に広がっていく事になろうとはこの時思ってもみなかった。手探りだったからな。
だが、暫くは何故か遊具は大人が遊んでいたりする。
「クーン、これ面白いわね!」
何故かヤーナが夢中になっていたりする。
まあ子供と遊んでいるのだが。
いいよな、子供目線で遊ぶ事が出来る大人って。
今時の日本では、例えば幼稚園、お迎えの後暫く園庭遊びをしたりするが、親通しで喋っていたりスマホを片手に子供を見ていない親が多すぎる。
たまに子供と一緒になって遊ぶ親もいるにはいるが、まれだ。
そしてここは日本ではない。
別の安全対策を施してある。
特に怖いのが落下なので、スキルで落下時の衝撃を緩和する付与を、想定される落下ポイントに施してある。これで安心!
ああそうそう、俺達のパーティーは既に解散している。
そしてクランの代表も別の奴に任せている。
もう俺の手から離れているのだ。
既に少数スキル持ちの優位さが確立され、多数持ち有利と言われていたこの世界に一石を投じ、その波紋は世界中を駆け巡った。
こうなると少数スキル持ちを保護する必要もなくなり、俺の役目はお役御免という訳さ。
なので俺はこうして【土】を用いてがっつりとものつくりに没頭できている。
子供の頃は生活に役立つものを中心に、そして冒険で役立つ物を作ったりしていたが、今は子育てに役立つ物を造っている。
そして今後は体の不自由な人に、少しでも役立つものを・・・・ただしこれは他のスキルの方が役立ちそうだから、いつ取り掛かれるかは分からない。だがまあ、親父達に必要性が出てきたらするんだろうなあ。
身内びいきと言われようが、そんなもんだろう?
自分達に必要じゃないとわからないんだよなあ。
・・・・
・・・
・・
・
そんなある日、エルフから連絡があった。
世界樹に新たな芽が出たとかなんとか。ちょっと何言っているのかわからない。
芽は出るだろうと思ったが、どうやら新たにどっかへ植える方の芽だったらしい。つまり種から増えたのか?
それとも株分けか?
そんな世界樹だが、どうやら俺が今住んでいる近くに植えてほしいそうだ。なんだよそれ。
俺は一人でエルフの住む場所へ向かった。
すると直ぐにちっこい世界樹を持たされ、5分以内に植えろ!とか言われ追い返された。
来いと言われてきたら、押し付けられた挙句に追い返される!理不尽だ!
仕方がないので足元に植えようとしたら凄い勢いで世界樹に否定された。
そう、世界樹は己の居るべき場所を知っていたんだ!植物なはずなのになんでだよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます