第230話 日本の拠点は賃貸にするか購入するか悩んでしまう

 飛行機での移動は、子供ではかなり面倒だ。

 拠点を確保し、やはりシロか珠での移動を行うしかないな。


 どうしても子供では信用問題、補償の問題等があって契約できない。

 購入なんか以ての外。注文住宅は色々と交渉、間取りやコンセントの位置、壁紙の選択等々決め事も多いのでこれも厳しいだろう。


 ここはまたまた、まさやんのお出ましだな。


「アメリカと違い、実は日本で居住可能な建築物を所有するのは手続きが煩雑で面倒なんだよ。」


 アメリカって色々な意味でおおらかななのか。


 まあ時間はある。

 今回はまさやんが契約主となって、既に建っている物件から適当に選んでもらい、契約してもらった。


 次に行うのは購入した建物の敷地内に、移動用の建築物を建てる事だな。


 これで一旦こっちの世界への用は終わった。

 本来であれば実の父親と母親を見つけたい所だが、いきなり会っても俺は剛史の生まれ変わりだとはにわかには信じてもらえないだろうし、両親の状況を把握してからどうするか決めたいしな。


「まさやん、色々ありがとう。一度元居た世界へ戻るよ。」

「そうか。まあ俺も色々得る事が多い今回の旅だった。こちらこそ礼を言いたい。」

 俺はまさやんと固い握手を交わした。


 それにヤーナがこっちの世界で、色々な文化に毒されないか心配だからな。

 俺がヤーナに戻る事を伝えると、

「もう戻るの?もう少し楽しみたかったわね。なんだかんだで騒ぎに巻き込まれ、あまり楽しめなかった気もするけれど。」


「拠点が出来たんだ。いつでも来られるさ。」

「そう?まあ仕方が無いわね。じゃあクーン、戻りましょ。まさやんも花子をしっかり守ってあげなさいよね。」

「ああそうするさ。今後俺が花子の傍に居る間は、あんな風に封印されてしまうような事態にはならん。」


 こうして俺とヤーナは暫く留守にしていたあっちの世界へ戻る事にした。

 今回世界樹はパスした。またの機会でいいだろう。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 随分と丸投げしてしまったが、親父達の所へ顔を出そう。そう思い親父達がいるはずの元ツクーゴ領にやってきた。


 リーバクーヨ、ギーコアを含めた3領の中心にあるからな。


 そして親父はいた。

 兄貴達もいる。


「クーン、久しぶりだな。」

「クーンにヤーンさん、お帰りなさい。疲れたでしょう。先ずは中へ入って椅子に座っていて。すぐに何か持ってくるわ。」


 母がヤーナに色々と気遣いをしてくれている。

「ありがとうお義母様。」

「まあヤーナさん、私をお義母様と呼んでくれるのね。嬉しいわ!クーンもこんなかわいい素敵な女性を奥さんにできるなんて、幸せね!大事になさい。」



 向こうで元の家族には会えなかったが、今の俺にとっての家族と帰る場所はここだ。

「ああ母さんただいま。まだヤーナの家族には何も伝えていないし、あっちが反対したら侯爵だから、結婚とかないぞ。」


 国王とあんなに密な関係でそれはないだろうと思う父だったが、


「クーンもいずれ分る時が来る。」

 意味深な発言。

「そんな事よりやっぱこっちで飯を食いたい。」


 日本への章 完




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