第229話 こっちの拠点を確保しておく

 さて、面倒な色々は終わった。


 まさやんの正体不明な、理解しがたい行動や人脈を総動員し、アメリカに拠点を購入した。


 俺には珠があるから、誰も訪れないような拠点があれば、珠を使って自由に行き来できる。


 俺とヤーナはそれぞれアメリカ国籍を持っている扱いになったので、飛行機で一応日本に戻る事にした。


 初めて飛行機を目にしたヤーナは、

「あれが空を飛ぶのね?かなり大きいわね。大型船ぐらいの大きさかしら?」


 地球の移動手段は今までシロだったからな。

 乗り物って新鮮だよなきっと。


「クーンは問題ないと思うが、そこのヤーナ嬢、あんたは初めてだろう?」

「飛行機に乗るのって色々面倒なのね?」

 実は俺も海外には生前行った事が無かった。

 縁が無かったし興味も無かったんだよなあ。


 しかし俺の飛行機デビューはいきなりファーストクラスだ。

 せめてビジネスで、と思ったが、

「飛行機を知らんのが2人もいるからな、無用のトラブルを避ける為にも、金はあるんだ、ファーストがいいだろう。」


 そんな事を言うまさやんだが、俺と出会った時はホームレスだったんだよなあ。


 そして俺はまさやんと最初の搭乗時は一緒じゃなかった(そもそもまさやんだけ飛行機で、俺とヤーナはシロの地脈だった)から気付くはずもないが、まさかのミリオンマイラーだった。


 外国へ買い付けでもやっていたのか?


 もし日本の移動で飛行機を利用していたとして、ミリオンマイラーになるには羽田札幌なんかを往復すると1000回程度搭乗する必要があるはずだ。

 ますます謎のまさやんだぜ!


 そして俺の初フライトは、何事もなく終わった。

 そしてファーストクラスは子供の身体である俺にはちょっと過剰サービスだった気もする。

「そんな事はないぞ?それともチャーターするか?」

 飛行機のチャーターって・・・・

 一体いくらかかるんだよ!というか日本とアメリカへ行き来するチャーターってありなのか?


 注:羽田からロサンゼルスまで参考価格往復約3600万円。


 詳しくはプライベートジェットと検索・・・・作者談:私には一生縁がないです(-_-;)


 なお、オークションで売る予定のダイヤが売買成立すれば2桁億円の収入となるはずなので、クーンは利用できるが、実はシロの地脈を利用すれば1時間程度で到着できるうえに、そもそも珠を使えば世界各国はもとより色々な異世界にも一瞬で行けてしまうのでまり意味を成さない。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


「腰が痛いわ。」

 10時間以上椅子に座りっぱなしだからな。いかにファーストが快適とはいえ、あちこち痛くもなるわな。


「そりゃあ済まない。まあ一度こっちの世界で発展した文明の利器ってのを体感してもらいたかったんだよな。」


「ふーん。まあ中々だったけれど、空の旅もポチが居ればいつでもできるのよねえ。」


 そうだった!俺にはポチが居たんだ!

 今はこっちに連れてきていねえがな。




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