第224話 ポンコツ女神

「お待たせいたしました。」


 あり合わせの服で何とか体裁を整えた自称女神。


 落ち着いてその姿をみると、どうやら見た目に関しては完ぺきだったようだ・・・・かりそめの肉体だっけ?

「俺の従魔になったんだ。あんたは何ができるんだ?それと名前は何だっけ?秩序の女神とか言うのは称号や職業、立場であって名前じゃねえよな?」


「う・・・・そもそも神に名前なんてないのよ。私は秩序の女神で通っているし、それ以外の名前は無いのよ。」


 おっとそれは知らなかったな。

 だが待て、天使には名前があったぞ?

 マジカル何とか・・・・何だっけ?

【魔法少女マジカル木の葉】だ。

 天使に名前があるんだから女神にも名前があっておかしくはないよな?


「え?なにその理屈。おかしいわよ。そもそも天使は数が多いから個別の名前があるの!私達神はそれぞれ与えられる立場があって、その立場に同じのはないから個別の名前が無くても成立るすのよ!それが神のルール!」


 何だか神が可哀想になってきた。だが待て、今こいつは俺の従魔だ。

 従魔に名前があってもおかしくないよな?


 すると何かを察したのか、ヤーナが、

「え?おばさんに名前を付けるの?」

 うーん、ヤーナからすれば20代半ばぐらいの見た目だとおばさんに見えるのか?

 俺的には妙齢の女性と映るんだよな。


 秩序の女神だと・・・・パークスとかホーラーか?微妙に違う気もするが。


 いや、それだと既存の?女神に失礼だな。


「どうしようか悩んでいるんだが、なんかあるか?」

「え?おばさんでいいんじゃないの?」

「ちょ!それ名前じゃないから!」

 流石に女神も嫌がっている。

「じゃあ・・・・花子とか?」

「え?その名前って・・・・ご、ご主人様の祖国でよく何かと使われる名前じゃないのかしら。」

「お、知っているのか?男なら太郎だな。うーん、でも何で花子何だろう?他にも弥生とか・・・・それに昔だと〇子とか多かったような。やっぱ花子だな。」

「ちょ!別にいいけれど、本当に花子なの?」

「女神花子!素晴らしい!」


「そ、そうかしら?」

 お、なんだかんだで女神はその気なようだな。うん、俺のセンスも捨てがたいだろう?


「全国の花子さんに失礼じゃない?」

「いいんだよ。そもそも全く存在しない名前なんてないだろうし。」


 こうして女神は鼻子・・となった・・・・違った花子だ。

「そういう訳で、あんたは花子だ。あ、それとは別になんかアメリカ風の名前も必要か?」

「え?この世界での存在に必要な名前ね?それは必要ないわ。私にはそういった事を可能にする能力が備わっているから。」


 そういえば花子の能力って質問したはずなんだが、今やっとその1つが判明した・・・・こいつ、相当ポンコツなのか?




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