第223話 女神ゲット?

 よく見ると何だか不快な感じのするモヤモヤした何かが漂っている。

 俺は女神像に珠を少し当ててみた。


 するとどうだろう、さっき見た嫌な感じのモヤモヤがどんどん離れていくじゃないか。あれが悪の元凶か?

 ・・・・気になる。


 もし女神とやらが解放されたとして、契約により俺からは逃れられないはず。

 それに・・・・

【ま、まだかしら?】


 こうして催促をするんだからさっきのは違うんだろうな。


《念じてかざせば捕獲できる》

 え?捕獲できる?

 俺は捕獲してどうするんだとか思いつつ、モヤモヤの漂っている方向へ珠をかざしてみた。


 するとどうだろう、珠から細長い糸のようなものが出てきてモヤモヤの方に向かっていくじゃないか。


 因みに糸のようなものは物理的な糸じゃない。

 光とか?分からん。


 その何かがモヤモヤの近くに向かっていき、あと少しで接触すると言う時にネットみたいに広がって一気にモヤモヤを包んでいった。

 そのままモヤモヤと共に戻ってくる。

 そして・・・・

《捕獲完了》

 いや、捕獲ってその後どうすれば?

《こちらで収納いたします》

 そう珠が俺に伝えたと思うとモヤモヤが消えた。


 ・・・・なんだったんだ?

 そして捕獲してどうなる?

 まあ今はなんともなさそうだし、後回しだ。

 で、女神はどうなった?


【あ・・・・ああああ!で、出られるわ!】

 また別のモヤモヤっとした・・・・今度は何故かピンク色のモヤモヤが女神像からこっちに向かってくるのが見えた。

《今回のターゲットです》

 ターゲットって・・・・女神の事か?

《肯定します》

 ・・・・珠って何だろうね?

《今は知る必要がありません》

 単に作者がそこまで考えていなかったのではないよな?

《世の中知らない方がいい事もあります》

 うわ!マジの奴か!

 俺が珠とあほみたいな意思疎通を図っていた間に、モヤモヤは俺の足元にやってきた。

 俺は珠をモヤモヤに突っ込んだ。

【いやん♪】


 何をやっているんだか。

「なあヤーナ、捨てようか?」

「捨てるの?何処へ?」

 うーん、何処かへ捨てるのも大事だが、分別はどうすれば?

【ちょ!ちょっと待って!もうすぐだから!捨てないでえ!!】

 もうわかっていると思うが、今から俺の従魔になる相手は残念な神だったようだ。


 まあいいか。それより手がモヤモヤから離れられないんだが。

《ターゲットを再構築しています》

 再構築って何?うーん分らん事ばかりだ。

《もうすぐ再構築が完了》

 そうなのか?で、再構築が終わるとどうなる?

《かりそめの肉体を得られます》

「なあヤーナ、ターゲットは肉体を得るらしい。」

「げ!で、相手は女でしょ?まさか裸で現れたりしないでしょうね?」


《衣類の用意を推奨いたします》

「どうやら痴女が現れるようだ。」

「野外で裸って・・・・恥じらいは無いの?」

【え?そんな!いくらなんでもこの仕打ちは!これでも乙女な】

 ターゲットの念話が途切れた。

 そして俺はヤーナによって目隠しをされた。



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