第222話 おばさんでもいいから早く助けてえ!!!

 一瞬の出来事だったが、それも直ぐに溶けた・・・・溶けたというか、沸騰した!


【おばさんでもいいから早く助けてえ!!!】


 目の前に助けてくれる(かもしれない)人がいる。

 何を言われようと、どういう扱いだろうと、そっちを優先したようだ。

「おばさんって認めるんだ。ま、どうでもいいけれど。」


 うわ!火に油を注ぐような発言!一体どうしたんだ?

【きいい!!!ここから出られたら覚えておきなさい!小娘のくせに!!!】

 ・・・・本音が駄々洩れ。

「覚えておく。そういう訳でさようなら。クーン無駄足だったわね。何となくこんなのだと思っていたのよね。帰りましょ。」

 うわ!そう言ってマジで帰ろうとするとか、どうしたんだ?


「なあヤーナ、どうしたんだ?」

「あの女、助けてとしか言わないし、それも急かしている。何故あそこに封じられているのかわからないし、助けたとしてもさっきの本音を聞けば、助けたとしてどうなるのかわかりそうなものだと思うわ。」

 単にむかついたからじゃないんだな。


「そ、そうか。言われてみれば早く助けてとかそんなのばっかだな。助けてほしいならまずは名乗って、そして何故こうなったとか助けたらどうするとか、教えてほしかったな。」

「まあそんな所。それに私達絶対ちょろいって思っているわ。残念な・・・・これ自由の女神というのだった?」


「ああそうだ、さしずめ不自由な女神って所だな。」

 あれ?なんか同じ事を何度か思ってねえか?


 注:215話参照


【ちょ!待って!本当に待って!なんでもするから助けて!】

 今何でもするって言ったよな?


「じゃあまずは名乗って、そして助けるにあたり俺の従魔になってもらおうか。そうしたら俺に助ける手段があるのなら助けてやる。」

【助けてくれるのね!私は秩序の女神・・・・私は貴方の従魔になればいいの?】

「ああそうだ。俺の名は知っているよな?じゃああんたは俺の従魔になると言えばいいんじゃねえか?」

【うぐ・・・・仕方が無いわね!私秩序の女神はクーン・カウペルに今、拘束されてる封印から助けてもらったその瞬間からクーン・カウペルの従魔となる事を宣言する・・・・うぐ!え?こ、これは・・・・契約?神である私が人間との間に契約が成立したというの!し、しまったああああ!!】


「なあヤーナ、こいつ助けたら俺の従魔になってくれるらしい。なんか契約できたとなっている。」

「へえ、従魔にね・・・・では早く助けましょ。クーンが持っている珠で何とかなるんでしょ?」

 多分そうなんだろうな。ずっと反応しっぱなしだもんなあ。


「よし、助ける前にあんたが動かした女神像、完璧な位置に戻しておけ。大騒ぎになっている。」

【あ・・・・あああ!ようやくここから出られるのね!分かったわ・・・・これでいい?さあ早く出して!】

 俺は女神像のすぐ近くに到着し、珠に念話?を送ってみた。

 何となくこんな感じでできるイメージが湧いたのでそうしたんだが。


 すると・・・・何か女神像から出てくるのが感じられた。あれがそうなのか?







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