第217話 地脈を利用した理由

「ねえクーン、今更だけどどうして地脈だったの?珠を使えばよかったんじゃない?」


 ヤーナの指摘がご尤もと言いたいし、そりゃあ珠を使えば多分一瞬で此処にやってこられる訳なんだが・・・・理由はある。


「理由は2つある。1つ目はシロの地脈より珠の方がやばいからだ。」

「どっちも同じぐらいあり得ない移動手段だと思うのだけど。」

「シロは単なるスキル持ちのわんこな訳だが、珠は神器・・・・だったよな?」

 確か【25次元移動装置:所持していれば、念じた世界へ瞬時に移動する事が可能。】

 こんな能力だったはず。


 注:205話参照


「まだわんこって言っているのね・・・・はあ。相変わらずどうしようもない鈍ちんさんだ事。まあそれはいいわ。確かに珠を受け取った時の状況も怪しすぎるし、確かに危険な珠だわ。」


 何とか納得がいってもらえたようだ。


「因みにやばいのはまさやんバレだ。そして2つ目だが、今回ダイヤモンド・・・・金剛石をゲットしたい。ヤーナはダイヤモンドをどうやって得るか知っているか?」

「え?鉱山にあるんじゃないの。そして山を掘るの。違うの?」


 山の中にはないだろう・・・・ないよな?

「山の中にある可能性は殆どないな。何故か?ダイヤモンドは・・・・なんだっけ?まあダイヤモンドがある地層は年月と共に押し上げられて、徐々に地上に押し上げられる。これは他の鉱物も同じだ。で、やがて山が形成される。その時に含まれていた成分も押し上げられて山の中に存在している・・・・ってのが俺の知識だ。間違っていたらすまん。」

「詳しいのね。意外だわ。今は詳しく知る必要はなさそうだから聞かないけれど、クーンの考えだと、ダイヤモンドの多くはまだ押し上げられていないのよね?」


「まあそんな所だ。で、ここでシロの登場ってなわけだ。」

「ええ??でもそんな器用な事できるの?」

【我等にかかれば可能だ。あらかじめ金剛石の原石を知っていれば見つけるのは・・・・困難だができぬわけではない。今回我とヤーナ殿の従魔で探す故そう時間はかからぬ。ほれ小さいのであればここにある。】


 シロが口から何やら小さな半透明の石?を出した。


 そうそう、まさやんは着いてすぐに公園へ金を払いに行ってくれている。

 金を払う必要があるんだよな。

 道具は・・・・取り敢えずスコップ程度はある。

 もし原石をゲットできたとして、道具無しでどうやって掘ったんだ!となった時に説明できないからな。


「で、これがダイヤモンドの原石だ。だがこんな小さいのでは意味がない。シロ達に探してもらうのは握りこぶしほどの大きさがあるやつだ。これさえ見つかれば、資金の面で心配する事はもうない。ついでに手を回せば戸籍も手に入るはずだ。」


 問題は反社やマフィアに資金が流れてしまう可能性が大きいって事だ。まあそれもシロ達に後で回収させるとかすればいいんだがな。






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