第215話 なんかおかしい
シロの地脈で移動する事数分・・・・体感でだが・・・・気が付けば地上に出ていた。
へ?おかしい。
あまりにも早かったからだ。
あっちの世界でも魔大陸へ渡るのにそれなりに時間がかかっていたんだが、今回明らかに時間がかかっていない。
【見せてもらった場所に来たはずだ。】
・・・・そこには冠をかぶり右手にたいまつを掲げ、左手には何だっけ?銘板を持っている・・・・そう、ここはニューヨーク州リバティ島。
目の前にあるのは皆がよく知っている
日本では自由の女神像って名前が一般的か?
何でダイヤモンドを掘りに行くのにここなんだって?
俺アメリカって来た事ないんだよなあ。
アメリカに来たら一度は行ってみたいじゃないか?
「わあクーン、海よ!そしてここは島なのね?で、目の前で気取ったポーズをしている女性は何者?何だか神を感じるわよ?」
「いや確かに自由の女神像と言われているけどさ、あれは造りもんだから間違っても本物の女神じゃないぞ?」
「そうなの?でもこっち見てウインクしているわよ?」
そんなバカな。
「・・・・おい、どうして数分でニューヨークに来てんだよ。」
「まさやん、アメリカだったらまずここだろ?」
「そもそもダイヤモンド堀るんだったらもう少し近い場所でもいいじゃないか!何で東海岸に来てんだよ!」
「すまんすまん、次はロス行くから。」
「あほか!何で東海岸から西海岸へ行くんだよ!」
「え?だってさ、シロの移動だとほんの数分だっただろう?だからニューヨークからカルフォルニアなんか1分ぐらいで行けるぞきっと。」
「はあ・・・まあいい。折角だし観光するか。」
何故かまさやん、ニューヨークを熟知していてるようだ。
迷いなく色々案内してくれたが・・・・何故かあの像は最後だった。
「なあ、何で目の前に像があったにもかかわらず最後なんだ?」
俺はまさやんに聞いた。
「いや、なんかおかしいからだ。目の錯覚と思うのだが、たまに女神像が動いているような気がしてな。何だか危険を感じたからできれば行きたくないんだよなあ。」
万が一あれにマジモンの女神が封印されているとか・・・・ないよな?
だがヤーナがウインクしているとか言っていたし、確かに視線を感じるんだよな。
俺が見た時には正規の位置にちゃんといる様に見えるんだけどなあ。
だが、天使の事もあるからここは慎重に行動しないといけないな。
それにまさやんの発言も気になる。
俺はこっそりポケットに手を突っ込み予め入れていた土に触れ、平らな板にした。
俺の【土】スキルをもってすれば鏡みたいにできるんだよ。
で、俺は女神像に背を向け、鏡でこっそり確認した。
すると・・・・まさかが鏡に映っていた。
なんと口が動くのを確認できたんだよ。え?マジモンかよ!!!
しかも俺は読唇術を学んでいる訳じゃないが、助けてと訴えているような気がしてならない。
ど、どうする?このまま見なかった事にしてしまうか?
あ、なんだかすごいシラーっとした視線を感じる。
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