第214話 地脈を通ってアメリカへ

【おいシロ!まさやんも一緒に地脈で移動できるか?】

 食事も終え、宿を引き払った俺達は、まさやんと出会った公園に居た。


【やって見んとわからんが恐らくできるであろう。】

【じゃあ試すか。それとこの世界って地下にも色んな物が埋まっているからな、傷つけないよう避けてくれ。】


【分かった。では早速潜る。】

【まさやんに説明するから、俺が合図してからにしてくれ。】


【そういう事であれば心得た。】


 おっとその前にヤーナにも知らせておかないと。

 俺はヤーナに今からアメリカへ向かう事を話した。

「地脈で移動は分かったけれど、アメリカって何?」


 そうだった。ヤーナはアメリカどころか地球について殆んど知識が無かったんだった。


「まあ言ってみれば、ここは日本って国で、今から行くのはアメリカって国って言えば何となくわかるか?」


「別の国へ向かうのに地脈を通るの?」

「ああ、海を隔てているからなあ。」


「海!私海って近くで見た事ないのよね!お水がしょっぱって話だけどそれ本当?」

 そういえばあっちで川って見た事あったけれど、海はなあ。

 魔大陸へ向かうのも空からだったし直接近くで見た事なかったっけ・・・・なかったよな?ちょっと記憶があやふやだ。


 結果だけを言えば、またもや海を近くで見る事はなかった。何せダイヤモンドを採掘しているのは【ダイヤモンド・クレーター州立公園】と言うアーカンソー州にある・・・・アーカンソーって何処だ?

 地図を見るとヒューストンやダラスから近い場所のようで、内陸だ。

 ロサンゼルスやラスベガスへ飛行機で移動して、そこから陸路で・・・・となかなか面倒なのだが、地脈を通ればそんな煩わしさとは無縁だ。


 おっとまだやる事があった。

 円をドルに換えておかないといけない。

 この辺は何故かまさやんが詳しかった。

 路上生活を送るまでは頻繁に海外へ行っていたようで、マイルも結構溜まっていたらしい。

 俺は海外へ行った事って一度だけだから、マイルは気に留めた事もない。

 都市銀行でかえてくれるようなので、100万円ほどかえてもらった。


 いざ出発!


「なあ、こんな公園の片隅からどうやってアメリカに行くってんだ?俺だけだったらパスポートがあるから行けるが、お前さん方そんなのないんだろう?」


 まあそう思うよな。


 そこでシロに登場してもらった。

「うぎゃあああ!!!」


 人の背丈以上のわんこが姿をあらわせば驚くよな。


「まさやん大丈夫だ。これは俺の従魔でシロって言うんだ。こいつは地脈を移動できるから、そこを通ってアメリカまで行くつもりだ。」


「お、おおおそうか。でかくてビビったぜ!これ本当に犬なのか?なんか別の生き物に見えるが。」


「あくまであっちの世界ではわんこだ。よしシロ移動する!」


【しっかりお互いつかまっているんだ。では行くぞ!】


 アメリカまでシロの移動でどのぐらい時間がかかるのか?

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