第213話 消えた女神
天使達は早速本の中を確認した。
何せ本のタイトルは全て記載がない。中身を見ないとわからないからだ。
で・・・・
【全宇宙グルメ大全】
【天使を虜にすべき理由】
【猿でもわかる神の業務】
【封印全集その2】
『・・・・おい、何だこれは!』
木の葉の怒りは頂点に達した。だがその怒りをぶつけるはずの相手は既に本の中。
それに、女神が封ぜられているはずの本が見当たらない。
『ねえ、女神様いらっしゃらなかったわよ?それに、私達天使の数も合っていないし・・・・あの爺達、まだ何か隠しているんじゃないの?』
そういえば急いで封じたので爺共を確認していなかった・・・・誰も触れたがらなかったからだ。
『どうする?一度出す?』
『くっ!腐っても神だ。出した途端対応するだろう!仕方がない、本を介して話をしてみるか。』
天使クラスでは無理だが、仮にも相手は神。
本に封じられても意思疎通は図れるはず。
天使では神格が足りず身動きすらできないが、神であれば多少の融通は効く。
誰が何の為に用意をしたのか甚だ疑問の本。
ちなみに3柱は神格が足りず、本に封じてあった天使を本から出した時に自分達の虜にできず、今まで手を付けられていなかったのだ。
『返す返すもクズだな・・・・』
『しかし何故女神様は封ぜられたのかしら。』
『わからん。そもそも女神様が封ぜられねば我らも封ぜられなかったのだ・・・・』
神達の闇は深い。
・・・・
・・・
・・
・
明日の朝食事を8時に共にする事を確認し、俺はまさやんと別れ、自分の部屋へ戻った。
因みにヤーナとは同じ部屋だ。
2部屋しか空いていなかったからこうなったのだが、俺は同性同士で、と思ったがヤーナが、
「こんな異国・異界でまさかずっと1人にさせないでしょうね。」
いざとなれば珠の力で戻ればいいのだが折角こうして高級宿に泊まれたんだ。じっくり堪能しないとな。
温泉は・・・・なかなか良かった。
まさやんと金をどうするかって話ばっかりしていたからあまり堪能できなかったが。
そしてふとヤーナを見て違和感を覚えたので聞いてみた。
「なあヤーナ、俺がまさやんと話している間に何かしたか?えらい肌に潤いがあると言うか。」
まだ12歳だから特に何もしなくても瑞々しい肌なんだが、なんか違う。
「エステってあったからやってもらったのよ。ほら、お金は沢山あるでしょ?折角お金があるんだから有効利用しなくちゃね。」
そういえばホテルなんかにはエステルームみたいなのがよく設置してあったっけな。よく気が付いたなヤーナ。
「なんつうか、スゲエつやっつやだな。」
「ふふん!!どうどう?もし、クーンが触ってみたいって言うなら触らせてあげなくもないけれど?」
・・・・何か知らんが触ってみたい。
「い・・・・いいのか?」
「いいわよ?さあどこでも好きな所を!」
ヤーナは椅子から起き上がり俺の方に歩こうとしたのだが・・・・あ!
どうやら浴衣を着慣れていないせいか、紐がだな・・・・
「きゃあ!」
案の定、紐を踏んでしまいそのまま俺の方にダイブしてきやがった!
俺は咄嗟にヤーナを受け止める・・・・
【ふにゅ】
紐がほどけた浴衣姿で・・・・紐がほどけた浴衣がどうなるかわかるよな?
目の前ではだけた姿のまま俺に飛び込んで来たから受け止めたが、その、何だ・・・・直接母性を触っちまったみたいで・・・・
自己主張が強いと思っていたが、なかなか・・・・
「わ、忘れなさい!」
その後気が付けば朝だった。
あれ?俺は一体・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます