第205話 お先に失礼?

【このまま逃げ切るぞ!】

【本当に問題ないのか?天使ちゃんまじ激おこだったぞ?】

【想定外の出来事があった故に出直すだけじゃ!】


 3体の神は上司である全能神を置いて逃げた。


 そして自身の居るべき場所へ通じるゲートが視え、ひとまず安堵する。


 で、3体は何も考えず本来いる場所へ戻ったのだが・・・・


【うわ!何故いるし・・・・・!】

【終わった・・・・】

【く!戻るか?】


 すまんが奴等より先に来てやった。

 狼狽えているな。逃げ切ったと思ったのだろうがそうはいかん!


 相変わらず自称全能神はアヘ顔で『天使ちゃんまじいい』とか言いながら・・・・これが神の実態なのか?


「さて、3体にはバツが必要だな・・・・」


【【【ひいい!!!!】】】


 木の葉ちゃんの一言で震えあがる3体。

「おっとそうだ、クーンよここで開放してくれぬか?」

 何を解放するんだっけ?色々あり過ぎてナンノコトヤラ・・・・ってあれか、他の天使・・・・なのか?わからんが手に入れた本に収まっているのがそうか?

「ちょっと待て。今出す・・・・ほれ。」


 俺は箱の中に収まっていた本を出した。

「それじゃ。今回はそのまま中身を見ずに全て解放と念じればよいはずじゃ。」


 そんなのでいいのか?


【お、おい若いの、悪い事は言わん、そのような無茶はしては、な、ならんぞ!】

【そ、そうじゃ。一体何体の天使ちゃんがあそこに収まっていると思っているのじゃ!】

【其方にはそこにいる娘がにおうているではないか!他の女に色目を使ってはだなあ・・・・】


「だまらっしゃい!」


【【【うひいい!!!!】】】


 とうとう泡を吹きやがった。さて、解放するか。

 ぶっちゃけどうでもいいんだな。

 実は木の葉ちゃんが悪い奴で、俺は唆されていてもいいんだ。

 なんつうか、目の前で泡を吹いているジジイどもに一泡吹かせてやりたかったんだ。

 実際泡吹いてやがるがな。


 俺は迷っても躊躇ってもどうにもならないし、解放した。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 100体以上いるんじゃないか?

 因みに皆裸だった。女ばかりで、だ。

 しまった!先に服を出しておけば・・・・今からでも遅くはないか?


 ぶっちゃけ皆整った顔に素晴らしいスタイルなはずなんだが、いかんせん数が多すぎて、それどころじゃないんだよな。


 で、俺はヤーナに渡した。勿論箱に収まっていた服を、だ。


 俺が直接渡すと色々問題がありそうだからな。


 で、時々俺に色仕掛け?と思うような挑発をして来る天使もいたが、ヤーナが全て対処していた。


 流石はヤーナ。天使に負けてねえ!


 その後知らぬ間に3体のジジイと自称全能神は天使によって・・・・天使が出てきたホンに無理やり押し込められていた。然もありなん。


 今まで見る側だったのが見られる側ってのも考え物だが、俺をこんな目に合わせた張本人達だ。ざまあねえな。

 そして俺は何故か妙に気になる場所があったので、そこへ行った。そうは言ってもほんの数歩だが。

 そこには何やら画面があり、色々な操作ができる端末らしき何かがあった。


 俺はちょうど手に触れるのによさそうな大きさの四角い部分があったので、掌を置いた。


【スキャン開始。土砂剛史と確認。元居た世界に戻りますか?Y/N】


 戻る事が出来るのか?

 すると何やら珠が出てきた。俺はつい受け取った。

【25次元移動装置:所持していれば、念じた世界へ瞬時に移動する事が可能。】


 ・・・・なんじゃこれ。25次元ってどんな次元なんだよ!

 俺はどうするか悩んだ。


「クーン、行っちゃうの?」

 俺はハッとなった。

 ヤーナのあんな寂しそうな顔はたぶん初めて見た。


「・・・・一緒に行くか?」

「・・・・どうしてもって言うなら一緒に行ってあげてもいいわよ!」

 泣きながら言うなよヤーナ。

 俺はヤーナの手を取り、実行する前に一応確認をしたが、手を繋いでいれば一緒に行けるらしい。

 正確には直接触れていればいいらしい。


 珠を持っていると、何やら使い方が自然にわかるようだ。

 俺が違和感を覚える事なく自然にそう思えたのだ。とんでもない珠だな。


 俺は【地球・日本】を念じた。



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