第202話 ばれてしまった

【そ、その、よ、汚れもき、綺麗にしておきたいのじゃが。できれば着替えさせてはくれぬかの。】

「わかったのじゃ。早う綺麗にして来るのじゃ。」

【では奥にあるのでそっちへ行くが、其方らはどうするのだ?】


 俺はどうすんだ?と思ったが、

「ここで待っておる。まさかこのまま逃げられると思わぬ事じゃ。」

【ひ、ひいいい!!!!!】

 更に漏らしつつ、3人は奥へ向かっていった。

 ああなると威厳も何もあったもんじゃねえな。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 一方着替えと称し何とか窮地を脱したかに見えた3体の神


 注:この世界で神の数は柱と数えますが、敢えて体としています。

 本来3柱→今回は3体


【どどどどうするのじゃ?何とかあの場を去る事はできたが、この後素直に戻るのか?】

【いや待て、よく考えろ。天使ちゃんの怒りは激おこだったぞ。そんな天使ちゃんから逃げきれるとは到底思えぬ。】

【それにじゃ、このまま戻ってもみろ、上司全能神の命令でここに居る我々が、違う所に居たとなると・・・・どっちにしてもやばすぎる!】


【そうじゃった!世界樹に異変があった故、見に行けと言われてあそこにおったわけじゃからな・・・・十中八九天使ちゃんの存在が今回の異変じゃろう。】

【どうするか・・・・】

【儂らの時代は終わった・・・・】

【積んだ・・・・いや詰んだ・・・・取り敢えず着替えよう。】


 こうして戻り、身ぎれいにし着替えを終えた3体の神だが、ここでついに・・・・


【おい貴様ら!何故持ち場を離れているのだ!】

【【【ひいいいい!!!!!】】】


 3体は上司である全能神にばれてしまった。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・

 仕方がないので事情を説明する3体の神。


【なんだと!最近天使ちゃん達の姿を見ないと思っておったがそういう事か!マジカル木の葉ちゃん劇カワだからのう。よし、朕自ら会ってこようではないか。まっておれ木の葉ちゅわ―――――ん!】


 なるほどこんな神がいる世界は崩壊寸前になっても致し方が無い。

 クーンが今のやり取りを見ていたらそう思っただろう。

 残念ながら見ていなかったのだが。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 クーンとヤーナ、そして木の葉は掃除をしていた。


 3体の神が粗相をしたあと始末だ。

「くせええ!あいつ等何喰ってやがんだよ!」

「人の欲望や願望じゃな。」


 俺は単に愚痴っていただけだが、いまさらっと恐ろしい事を言いやがった!

 欲望と願望を喰っているのか?それ神じゃなく、悪魔なんじゃね?若しくは・・・・死神の類か?あ、死神は神なのか?分からん。


 そんな願望と欲望を本当に喰っているのかどうかはいざ知らず、どうやらちゃんと戻ってきたようだ。そう思ったが、

「ねえ、3人だったはずだけど、4人で来ちゃっているわよ。」

 ヤーナが最初に気付いたようだ。確かに見慣れぬ姿のおっさんがいるな。

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