第197話 何とかなった

 その後もマジカル某はポーズを変えたり、俺の頭をはたいたり(何故だ!)最後は下着姿になって見たり色々やっていたようだが、上手くいかなかった。


「なあ、これが成功すればどうなるんだ?」

「ああ、根の先端近くに辿り着くはずじゃ。」

「じゃあ俺の【土】で穴を掘ってやろうか?」

「な!そのような・・・・根を傷めずに誠にできるのじゃな?」

「ああ、さっきも言ったと思うが、俺のスキルはあくまで土に作用するのであって、根っこには無害だと思うぞ?だが根に触れている土に作用するから、そのせいで根が折れたりするのは不可抗力ってやつだな。」

 何せかなり太い根なのだろう。

 根に触れている土が消えればその重さを支えていた物質が消えるという事だから、根の重さのせいで支えのなくなった部分に負担が来るから、そこから折れたり変形する可能性が無いわけじゃない。

 実際どんなのか見た訳じゃねえからどうなるかわからんが、可能性はあるはずさ。

「では我が其方に付き従ってやろう。そして他の女子は・・・・エルフの2人は魔法が使えるのであろう。風の魔法で充分じゃ。ゆっくり落下するようにするとよいのじゃ。」


 俺が穴を掘って、ヤーナ達が魔法でゆっくり降りて来るのか?


 それよりヤーナが何か言いたそうにしている。

「ねえ、すっかり忘れていると思うけど、私って精霊使いなのよね。」

 うん、忘れていた。

 ずいぶん昔のような気がする。

 精霊に問題を解決してもらうのか?

「クーンが穴を掘るのは決定事項なんでしょ?で、お姉・・・・ディアナさんとカルラさんは風魔法が使えると思うのよね。じゃあ私はどうすれば?同じ風を扱うのだったらシルフに頼めば安全に降りられるのかしら?と思ったのよ。」

 いけるのか?そもそもヤーナの精霊に穴を掘ってもらった方がいいのじゃ?

「それは悪手じゃ。世界樹と精霊はお互い干渉しあう。ヤーナという女子を降ろすのは問題ないが、地面を精霊に掘らせるのは駄目じゃ!」

 駄目らしい。

 世界樹は精霊に近い存在なのか?

 先ずは500メートルを目指すのか?

「なあ、可也深く掘る事になるが、地中にガスとか大丈夫なのか?」

「それは問題ないのじゃ。世界樹の根が全て都合よく・・・・・・処理しているのじゃ!」

 何の都合だよ!

 ご都合主義ここに極めりか?


 そんな事もあったが、俺は早速穴掘りを開始した。

 何故か右目は地面を透過する感じで先が見えるんだ。

 マジカル木の葉だったか?絶対こいつの仕業だよな。

 このおかげで根にぶつかる事なく、全て避けて掘り下げていけるからいいか。


 根っこにぶつかれば迂回するしかないからな。



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