第195話 天使じゃなかったのかよ!

 俺が【めが、めがー!あああああ!!!!】


 と、どっかの大佐が最後に放ったセリフと同じ状況?になっていたその頃・・・・


 本から飛び出した魔法少女は無事着替えが終わったようだ。


「なんじゃこいつは。全く世話の焼ける奴じゃな。これ動くな。今治してやろう・・・・えい!」

 あれ?治った?だが何かおかしい。視え過ぎ・・・・・るのだ。

「おい!今何をした。なんか右目と左目で見える世界が違うんだが。」

「す、すまぬ!久方ぶりすぎて加減が出来んかったようじゃ。」


 右目は普通に見える。

 左目は・・・・なんだか安定しないぞ?

 服が透けて見えたり、ぼやけたり、終いには右目と違う情報が飛び込んでくる。

 更には上を見たら何故か左目ははるか先の景色がくっきり見えた。その景色は世界樹の葉だ。


 なんじゃこれ?


 俺は思わずヤーナを見た。

 すると見てはいけないものが一瞬見えた。

 その後見え過ぎて吐いた。

 何せ体の中が見えてしまったからだ。おいこれどうすんだよ!

 服が透けている分には・・・・まだいい。

 だがこれは何だ?内臓とか見えるのはマジ勘弁だ!


 暫く何とかしようとしたが・・・・

 俺は目をまわしてしまいその場にひっくり返った。


「ク、クーンしっかり!」

 ヤーナが俺を抱きかかえてくれたが、その時ヤーナの一番大事な部分がはっきり見えた。


「おい魔法何とか何とかしてくれ!」


「うーん・・・・暫くは無理じゃな。目を瞑っていれば見えずに済むはずじゃ。」

 俺は目を瞑った。だが視えた・・・

 俺はヤーナを見ないように頑張った。

 そしてふと地面を見た。


 すんげえ根っこが見えた気がした。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


「・・・・ふう、これでよし!」

 俺は意識を失っていたのか?

 そしてちゃんと見えるようになっていた。


「治してくれたんだな。」

「治っては・・・・おらぬ。選択して視えるようにしておいた。今其方に扱えるのは3つじゃ。透視遠視未来視じゃ。何も選択せねば今まで通りに見えるのじゃ。」


 何だか今凄い事を言っていた気がするが、こんなのは使わないに越した事はない。

「俺はこんなのに頼らねえ!」

「そうか。そういう選択もあるの。」

「ねえクーン、さっきから何を言っているのよ。」


「あ?何って・・・・」

 俺は思わずヤーナを見た。上から下まで。

「どうしたのよ?何だか顔が怖いわよ?」

 どうやら発動は俺の願望からくるみたいだ。

 今後は気を付けよう。

 おっとそれよりも目の前にいる女だ。

 なんであの怪しげな衣装がこうなるんだ?

 どっから見ても魔法少女そのものだ。

 こいつ天使じゃなかったのか?

 天使と言えば背中の羽と頭の上にある輪っかだよな?

 注:あくまでクーンのイメージです。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る