第191話 世界樹の中へ入る事が出来るってどうなんだ?

 カルラという少女に率いられ、俺達は再び世界樹へ向かった。


 そして今、俺は世界樹の前に立っている。


 ・・・・相変わらずデカい。


「さあ着きましたよ!ではここから入りますので、皆さんはぐれないように手を繋いで下さいね!」


 ・・・・この距離ではぐれるとかないだろう?

 折角だからヤーナとだな・・・・


「お姉さま是非!」


 ヤーナはディアナさんと手を繋ぐようだ。


 しかももう片方の手にはカルラって少女が握っているし。


 まさかのボッチ?


 また魔法云々で、手を握っていない奴だけ置いてきぼりとか・・・・ないよな?


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 世界樹があるのにそのまま前進して、ぶつかる!と思いきや、そのまま中へ進む事が出来た。カモフラージュか?


 結局何て事はない。俺ははぐれる事なく世界樹の中へ入った。


「いらっしゃいませ!ようこそ世界樹へ!」


 中に入ると綺麗なお姉さんが出迎えてくれた。なんじゃこりゃ?


 どっかのアトラクションか?


「いらっしゃいましたわ!」

「まあカルラ様!ようこそ!今日はどうされましたか?何か注文していました?」

「今日は客人を案内しに来たのです!」

「そうですか。どうりで見ない顔が2個ほど・・・・・・・・・ありましたのね。」


 おーい!

 ―い!今俺とヤーナを2個って言っただろ!何だこれ!


 だが俺の突っ込みもここまでだった。


 さらに奥に案内してくれたんだが・・・・


 なんつうか、これ本当に樹の中なのか?


 めっちゃデカいモニターを前に、沢山の人が何やら端末を操作していた。


 人というかエルフだけどな。


 そのままここを素通りし、もっと奥へ。

 だがおかしい。

 幾ら世界樹が大きいと言っても、この空間の広さは明らかにおかしい。


 あきらかに世界樹の幹より広いからだ。


「なあ、なんで外観より中の方が広いんだ?」


 俺は誰か答えてくれねえかなと思い、大きな声で喋った。

「それは世界樹だからだ。相変わらず変な事を聞くな。」


 俺は変らしい。


 結局昨日同様、謎の世界樹だから、で説明は終わってしまった。


 その後俺が何を聞いても世界樹だからだった。


 で、俺の疑問が全く解決されないまま奥に進むと、ここに来て何か作っているのが見えた。


 何やら机に向かって黙々と作業をしている人がいる。それも複数人。


 で、俺は机の上を少し見た。


 めっちゃ細かい部品が沢山あった。

 細かいって、ピンセットで摘まめるのか?という細かさ?

 手で触れずに画面を見ながら机の上にある装置を動かし、それで部品を組み上げているようだ。


 何だこれは?


 周囲を見ると、どうやら完成した物体があるようで、見た。


 ちょっと違うが、例の通信道具のような、謎の物体だ。

 しかも所々光ったりしている。


 うーん、世界樹の中はオーバーテクノロジーだったのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る