第189話 いったん箱は置いといて
折角の観光が台無しじゃねえか!
世界樹の頂上で周囲を見たらさぞや壮観なんだろうなあ。
そう若干期待をしつつ上まで行ってみようと思ったらこの仕打ち。
今は忘れよう・・・・
・・・・
・・・
・・
・
流石に樹の頂上へはいけないが、ディアナさん曰く、今いる場所が世界樹で人が踏み込む事を許される一番上なのだとか。
人と言ってもエルフも含まれるようだ。
そして雲の上から見る景色は荘厳だ!
それにもうすぐ夕焼けになるようで、夕方の景色は言葉に言い表せない何かがあるとか。
そして遂に夕方が来た!
おおおお!!!
何ていうか、オレンジ色から薄紫色に変わっていく・・・・それがまた雲に映えて神秘的というか。
部分的に赤というかピンク色というか、紫色というか・・・・
「綺麗・・・・」
ヤーナがうっとりしている。
ヤーナに映った夕焼けの色がまたヤーナを・・・・
「なんかうまく言えねえが、何だろうなこれ。」
「・・・・もっとロマンティックな事言えないのかしら?」
そう言うがな、どう言えばいいんだ?
「俺に甘い言葉を望むなんてどうかしているぞ?」
「そうだったわね。クーンだから仕方ないわ。それよりも・・・・手を握ったりできないの?」
う!今のヤーナを見ると、思いっきり勘違いをしてしまいそうだ!
俺はヤーナの手を取り思わず引っ張った。
思ったよりヤーナが引き寄せられ、俺はヤーナを受け止めた。
そして見つめあう2人・・・・
ここで俺は思わず雰囲気にのまれた。ヤーナもだ。
お互いの顔が近づく・・・・
「私もいるのだが。」
そこは空気をよんでほしかったぜ!
折角の雰囲気が台無しだぜ!
結局この日は何もせず帰った。
そして俺は一人で寝た。
ヤーナと一緒に居ればどうにかなってしまいそうだったからだ。
間違いが起こっては駄目だ。お互い身体はまだ子供だしな。
「ヘタレ!」
何とでも言え!
だが俺はこんな意図しない雰囲気で流れに身を任せる事はしたくなかった。
そう、ちゃんと結婚の約束をしてだなあ・・・・
「だから私もいると何度も言っているだろう?」
今日は俺、駄目駄目だな。
「すまんかったな。それよりあんたが使った魔法ってなんだ?俺でも使えるのか?」
「使えなくはないが、クーンは土しか扱えないのであろう?道具を使わねば厳しいぞ。」
道具がいるってか・・・・ディアナさんに頼んだ方が早そうだな。
俺はまたあの爺共を懲らしめようと決めていた。
それにはあいつらの居る場所に向かわねばならん。
そしてあいつらに会ったら、持ち帰った箱の中身を目の前で使ってやるんだ!
どんな事になるのか今から楽しみだ!
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