第188話 箱の中身はまさかの!

 どうやら俺の思うヒーローはヤーナが思い描くそれとは違うらしい。


「あのね、クーンがヒーローをどう思っているのかは理解できたけど、この世界では、少なくとも私は・・・・私の窮地に颯爽と駆け付けてくれ、救ってくれる人の事よ?」


 いきなりハードルが高いな。

 ヤーナの窮地ってそもそも何だ?

 うーん・・・・あれ?そう言えば俺ってヤーナを救ったんだよな?フロリーナと共に困っていたヤーナを俺は・・・・何だっけ?

 そうそう。薬草採取だ!それを教えたんだっけ。


 だがなあ、今更ヤーナのヒーローになる必要ってあるのか?


 やはりここは俺にとってのヒーローだ!

 敵は?

 やはりあいつ等か。

 俺にとっての敵、それはつまり神を名乗ったじじいどもだ。

 そして俺は貰った箱を開け、その考えをますます強めた。


 何せ・・・・

 俺は最後に受け取った箱を開けた。

 するとそこには・・・・

 ある意味男の夢が詰まっていた。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 一方その頃、神界では、

【あ!】

 箱を渡した神が思わず叫んだ。

【なんじゃ?どうしたのじゃ?】

【間違った・・・・】

【おう、何を間違ったのだ?】

【秘蔵の呼び出し本が入っている箱を渡してしまった!】

【おい!それはまずいんじゃないか?】

【ああ不味い!非常にまずい!】

【どうすんだよ!あれに載っているのは全部天使ちゃんを召喚するためのもんじゃねえか!】

【人間が勝手に天使ちゃんを召喚しちまったら・・・・マジ天使ちゃんに殺される!】

【天使ちゃんはそんな事をしないだろ!神的に殺されるだけじゃねえか!】

【それもきついが、バレちまったら女神ちゃんも・・・・】

【それを言っちゃあいけないぜ!それより本当にそれだけか?】

【そう言われると心配してしまうが・・・・他は・・・・無くなっているのはちゃんと時空を修復するのに使うアイテムばかりだな。】

【今はその言葉を信じるしかないな。】


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 クーンが開けた箱には天使の姿をした女性の姿が記載している本と、よくわからないながらも女性用の衣類が数着入っていた。

 これで本当に時空が何とかなるのか?

 本に記載している女性がその役割を?

 もし違ったら本当にやっつけるしかないな。


 当然ながらヤーナとディアナはクーンと共に箱の中身を見た。


「凄いなこれは。天使の姿がまるで本物そっくりに再現しているじゃないか。それにこの衣類だ。衣類はまだいい。何だこの危険極まりない下着は。」

 衣類を取り出すと、そこには下着が多数収まっていた。

 いい趣味してんじゃねえか!これで本当に世界が救えるのか?


 因みにここは世界樹の頂。

 世界樹の上で何やってんだかと思ったディアナ。

 しかしディアナはアイテムを見て驚いていた。

 こんな見た目でも全て神器だったからだ。

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