第185話 エルフは一瞬にして
この後しばらく俺は何故かこってりと怒られた。
俺は何もしてねえ!
・・・・
・・・
・・
・
「いや!すまない!どうやら君を誤解していたようだ。」
何故か急にフレンドリーな接し方をして来るディアナさん。
一体ヤーナとの間に何があったというのだ?
深く追求はしない方がいいと俺の何かが全力で訴えかけてくる!
こういう時は素直にその何かに従うほうがいい。
「まあわかればいい。それより世界樹って何なんだ?」
するとよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりの勢いで、
「我々エルフの里、その源なのだ!」
・・・・すまん、さっきから思っていたが、ディアナさんの言っている意味を理解できない事が多いんだ。
もしかしてよくある天才だが、人にものを教えるのが壊滅的な人か?
「そ、そうか。源なのか。で、どう源なのか?」
「・・・・ほう、クーンとやら、君は知りたいのか?いいだろう!では今から来るのだ!」
すまん、さらに意味不明なんだが。
いったい今のやり取りでどうしたら何処かへ一緒に行く流れになるんだ?
「お姉さま、一体何処へ連れて行ってくれるの?」
「おおヤーナ!私には妹が居なかったのだよ!もう一度!」
「お姉さま!」
「妹よ!」
暫くこのやり取りが続きます・・・・
何処からか取り出した座布団と共に【土】で作った寝床で横になるクーン。
一体いつになったら終わるんだ?
そして・・・・
「おい貴様!世界樹の前で寝るとはいい度胸じゃないか!」
「お―!終わった?で、何処に行くんだよ!」
こういう時反応したら負けるのよね。
「そうだった。今から世界樹の頂上まで行く。」
一寸待て。
どうやって行くんだ?
雲を突き抜けているんだぞ?
上がどこまであるのか見えねえし。
「どうやって行くんだよ!」
「そんなのは決まっている。魔法だ。」
魔法って・・・・浮遊するのか?
俺は【土】しか使えねえからなあ。
俺がどう答えようか悩んでいると、いきなりディアナさんは魔法を唱え始めた。
あへ?
俺は多分相当間抜けな表情だったのだろう。
気が付けば見知らぬ場所に一人立っていた。
【うわ!なんじゃお前さんは・・・・】
【げえ!何で人がここに、しかも生身の身体でやってくるとかどうなっている!!】
【おいこいつお前が死なせた奴じゃねえか?】
【え?マジか?いやあマジかよ・・・・あっちは相当ひずんでいたはずだが、だからここに来る事が出来たのか?】
何だこのおっさん共は?
しかも何となく聞いた事があるような声だな・・・・ああ!こいつ等!俺が死ぬ原因を作った張本人じゃねえか!神だったっけ?
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