第184話 世界樹
ヤーナが去った後、俺はもう少し時間をおいてから起きようと思い、そのまま横になっていた。
なっていたはずなんだが・・・・
どうやら熟睡してしまったようだ。
因みになぜ起きたのかと言えば、
「今からお姉さ・・・・ディアナさんが世界樹を案内してくれるから、早く起きなさいよね!」
と言って起こしてきたんだよ、ヤーナが!
1人で行けばいいじゃないか。
そう思ったが、
「折角だから、一緒に行こ?」
普段俺に結構きつく当たってくるヤーナが!こんなお願いをするとは!ぐは!
俺は陥落した。
・・・・
・・・
・・
・
「これ本当に樹なのか?」
あまりものデカさに俺はわが目を疑ってしまった。
直径だけでも数十メートルはあるんじゃなかろうか。
それに・・・・高さだ。
遠くから見ていてもその高さがどこまであるのかわからなかったんだ。
今は見上げているが・・・・さっぱりわからん。
「これが世界樹だ。」
キリッとした表情でそう言い放つディアナさん。
言われなくてもわかるが、それを言っちゃあ・・・・
「しかしデカいな。一体なんでこんなに大きいんだ?それに樹齢はどれぐらいあるんだ?」
俺は色々聞きたいが、まずこの2つを聞いてみた。
「何故大きいのか、それは世界樹だからだ。そして樹齢は・・・・少なくとも今この場にいる誰も知らんだろう。」
・・・・答になっていない。
世界樹だから大きいのか?
「世界樹は他にも存在するのか?そして在るのだったらここのみたいに大きいのか?」
「質問が多いな。世界樹はこの世に5本存在していると聞く。私も他に1本見た事はある。幼い頃だった故大きさは覚えていないが、やはり雲を突き抜けるような存在感だったと認識している。」
あるんだ。
しかし葉っぱとかどうなっているんだ?
枝も見えんぞ。
【異世界あるある】では【世界樹の葉】はとても貴重で尚且つ重要な役割を担っている事が多かったはず。
枝も・・・・武器として使えたりした作品もあったような覚えが・・・・こういった記憶は徐々にあやふやになっていくが、どうだっけなあ。
「葉は雲の上にあるのか?」
「貴様、世界樹の葉を狙っているのか!」
いきなり怒り始めたが、何でそうなる?
「狙うも何も、普通木って葉っぱとかあるだろう?どうなっているんだ、と思ったから聞いただけだが・・・・貴重品なのか?」
「い、いや、今のは忘れてくれ・・・・」
急に狼狽え始めたが、怪しいな。絶対何か特別な効能があるに違いない!
「ちょっとクーン、お姉さまを困らせては駄目じゃない!」
遂にディアナをお姉さまと言い切った!
いつの間に仲良くなったんだ?
注:クーンが寝ている間に仲良くなりました。
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