第179話 そうだ、話題を変えようそうしよう

 ヤバい!このままでは重すぎて、俺は圧死してしまう!


「あんたらの状況は概ね分かった。だがなあ、残念ながら俺には何の助けもできない。それに・・・・俺って関係ないよな、その話。」

 俺は空気が重すぎて、ついK空気がY読めない的な発言をしてしまった。


 案の定、俺の周囲は冷え切った空気に・・・・っておい!何だこれ!本当に冷えているじゃないか!

「さ、寒いわクーン。クーンの発言がこうさせてしまったようだけど、私を巻き込むとは・・・・寒い!」

 な、何故だ!は!こいつらはエルフだった!エルフと言えば魔法だよな!

【異世界あるある】だぜ!


「・・・・確かに。貴様には関係ない話だったな。だが知っておいてほしかったのだ。貴様が折角仕込んだ魔道具を外してしまった相手が、どういう奴だったのかという事を。」

 しかしなあ。あ、そうだ。あいつの情報を確認しよう。

「一応確認なんだが、あいつの能力って結局何なんだ?」

「端的に言えば女を意のままに操り従わせる力だ。それ以外は知らん。」

 あいつ何だか他にも持っていたよな。身代わりだっけ?

「身代わりって知っているか?」

「あいつの得意なスキルだ。あいつはエルフの男を身代わりにさんざん酷い事をしてきた。ここにエルフの男が居ないと思っただろう?」

 思った。それはあいつの子だからじゃないのか?


「あいつは自分の子であろうと男には容赦がなかった。生き残っている男は、皆あいつにとって利用価値を見出されたからに他ならない。」

 更に酷い発言だ。益々俺には・・・・あれ?

 ・・・・あれ?肉体的にはどうなんだ?

「俺、あいつを地下深くに埋めてきたんだが、駄目だったか?」

「何?何故あいつは・・・・スキルか?」

「ああ、俺のスキルは【土】だからな。」

「そうか、ははははは!こんな所に希望があったとは!」

 一体何の希望だ。それよりこの冷えを何とかしてほしい。

 ヤーナが何か話をしに向かったな。何処に行くんだ?


 その後暫くして、この冷えは収まった。何だったんだ?

 え?

 え?俺のKY活動の賜物だって。照れるじゃねえか・・・・って訳ない!

 さっき触れた空気読めよ、お前!!!だろう?


 この後は空気が一転し、何故か和やかな雰囲気に。

 あれ?

 あれ?もしかしてヤーナってこういう才能あったの?


 注:男の前、特にクーンの前ではあんなヤーナだが、同性には好感を持たれる何かがあるらしい。


「そうか、あんたも苦労しているんだなあ。」

「そうなのよ。それよりもあの魔道具っていったい何なの?」

「ああ、あの魔道具か。今回は我らの恨みを込めてあそこに仕込んだが、本来はそもそもあんな場所に仕込む道具ではないさ。」

 本来の使用目的は何だろう?







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