第177話 魔大陸という扱いらしい

 魔族の居る場所は、魔大陸という扱いらしい。

 つまり海を隔てているって事だな。


 しかし!!!俺達には空飛ぶトカゲドラゴンがいるから問題ない!

「ねえクーン、いい加減ポチがドラゴンだって事を理解できないのかしら。」

「何を言っているんだ!顔を見ろ!顔というか目だな!顔も爬虫類そのものの鱗に覆われているし、細い瞳孔だ!」

 ヤーナはどうしてポチがドラゴンだと勘違いをしているんだ?

 それこそ理解できんわ!

「クーンの思考ってどうしてこうも偏っているのかしらね?なんだったらクーンが秘蔵している本を調べたら?ドラゴンがどのような生き物か記載してあるんじゃない?」


 そうなのか?だがあれは・・・・どっかに置きっぱなしだったよな。気が向いたらそのうち読んでみよう。


 それに天ちゃんもいるしさあ、海の向こうって言ってもあっという間なんだよなあ。

 ほらほらもう見えてきたぜ!

「おっしゃああ!!!見ろヤーナ!あれが・・・・何だっけ?」

「魔大陸って私達は呼んでいるわよ。」

「それな!魔大陸って如何にもな感じがしねえ?」

「如何にもって何よ?それよりそろそろ上陸するわよ!」

 おっとそうだった。ポチはとんでもなく速いのをすっかり忘れていたぜ!

 トカゲのくせに。

「それまだ言うの?」

 俺の心の声を覗かないでくれよ、ヤーナ。

「駄々洩れだから。」


 毎度のパターンだな・・・・


 それよりもだ、俺はあの通信機?を持ってきているんだ。

 素手で触りたくねえが、どうしよう。

『クーンと言ったな、見えてきたのでこちらの指示で降りてくれ。』

 おっとどうやらあちらさんも俺の存在に感づいたようだ。

「単にポチが大きいから発見しただけでしょ。」

 最近ヤーナは突っ込み要員なのか?気にしないでおこう・・・・


【前方に何やら発光している地面がある。】

 ポチに言われて気が付いたが、空港みたいだなあ。

 誘導灯って言うやつ?

 あれが2本、順次光っているんだ。分かりやすいなあ。


 そしてその誘導に従ってポチは降り立ったようだ。

 で、俺とヤーナが降りると・・・・


「クーン様、ヤーナ様お待ちしておりました。」

 代表で一人の女性が俺とヤーナに声を掛けてきた。

 どう見ても【エルフ】だぞ?

「ああ、このアイテムに導かれここに来た・・・・なんつってな。」

 スパン!

 あいたああ!!!!

「何すんだよヤーナ!」

「何が導かれたよ!通信道具の案内でしょ?」


 そうだった・・・・


「それよりあんた誰?」

「これは失礼いたしました。私がカルラ・ファン・デル・プラートですわ、クーン様。」


 ・・・・尊い。

 多分見た目は今の俺やヤーナと同じぐらいの歳だ。

 つまりまだ子供って事だな。

 だが恐らくはエルフ。俺の何倍も生きているんだろうなあ。

「おほん、クーンとやらは何か失礼な事を考えていないか?カルラ様は御年12歳にあらせられる。それともうわかっていると思うが、私の名はディアナ・ファン・デン・エンデ。以後お見知りおきを。」

 うわあ、大人の女だ。しかも何故かきりっとした表情がよく似合いそうな・・・・そう、細メガネの女だ。まるっきり秘書だな(クーンのイメージです)。




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