第176話 魔族の住む土地へ
ポチの背に乗り、魔族の居る土地に向かった俺とヤーナ。
ちゃんとニールスにい達に・・・・伝える時間がなく、天馬に連れてきてもらった。
そしてニールスにいには一度ポチの背に乗ってもらい説明をした。
まあ後を託す事にしたんだけどね。
「クーンももう少し落ち着いて考えないといけないね。報連相はしっかりとしないと。」
あ、この世界でも報連相って言うんだ。
報告・連絡・相談。俗にいうほうれん草ってやつだな。
「あのおっさんを見ているとムカついてさ。女を食い物にしたというか、魔族を人として扱っていないしさ。」
「よくわからないけれど、魔族というのは全て人と同じ外観なのかい?」
「それを確認しに行くんだよ。それにあいつがやった事もちゃんと知っておかないと。」
そう言えばニールスにいには・・・・親父達にも俺が転生者って言っていないから、メタボおっさんが召喚者って言えないんだよな。だからあのおっさんの事を全て伝えられないから、意味不明な事もあるんだよな。それも含めて俺が魔族の住む土地へ行かないと駄目なんだよ。
「あの魔族には秘密があると思っていたんだけどね、クーンは知っていたのかい?話したくなかったり、話すのを躊躇うような事であれば、いつか話してくれたらいい。気を付けて行ってきてくれ。」
ごめんなニールスにい!
あれ?ヤーナは知っているんだっけか?
ニールスにいは再び天馬に乗って、地上に戻ってくれた。
「あのねえクーン、これだけずっと一緒に居るんだから、わかって当然と思わない?よくわからないけれど、あの魔族と同じ何かの知識があるんでしょ?」
ヤーナって俺の出自に関してはっきりとは分かっていない筈だよなあ。ちゃんと言うべきか?
「あのさあ、あいつ二ホンって言って、つまりこの世界とは違う、所謂異世界から召喚された転移者なんだよな。」
「さっきの会話からそうだとは思っていたけれど、クーンもそうなのね?」
「それは少し違うんだ。俺は確かにクーンとして生まれて育った。そこは間違いない。だが俺には前世の記憶があるんだよ。」
「前世の記憶?」
「ああ、あのメタボおっさんと同じ二ホンで生まれ育ち、生活をしていたんだよ。だが神のミスで俺は死んでしまった。俺は神の力でも生き返る事は出来ない代わりに、この世界に二ホンの記憶を持ったまま転生させられたんだよ。」
「成程ね。あんたの時々変な行動はそこから来ているのね。それに、あんたのスキルよ!最初に出会った時から異常だったもの。それに神器を所有しているって噂なのよね。」
神器ってダイスの事か?俺は念じてそれを出してやった。
「ヤーナの言う神器って多分これだ。ダイスって言ってな、まあサイコロだな。どういう条件でどんな結果が出るのかわからないんだよ。だが出た目で何かの効果があったりするんだよな。」
念の為見せるだけにしてある。万が一ヤーナがこれに触れてしまった事で、ヤーナ自身に何か影響があるといけないからな。
「教えてくれてありがとう。うーん・・・・やっぱりこれはクーンの奥さんになってっていう意味よね?そう、これはプロポーズよね?俺の秘密を教えるから、一生妻として秘密を共有って・・・・きゃああああ!!!」
「おーいヤーナ、大丈夫か?」
まあヤーナはツンデレだしさ(ヤンデレだって?出会った頃ならそう思わなくもないな)、顔は俺の好みドストライクなんだよな。最近スタイルはかなり自己主張が強くて少女から女になりつつあるしさ!
いかん、意識してしまうと益々そういう目で見てしまう!
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