第175話 やっぱり黒だった
俺はおっさんに会っておいた。
万が一さっきの会話が間違っていた場合、おっさんは被害者なのに加害者扱いになるからだ。
「なあおっさん、この世界であんたの一番年上の子供って何歳なんだ?」
さっきの会話ではこのおっさんを奴隷にできないって感じだったが、何故かできているんだよな。
「はあ?この世界にやってきて何年だっけ?20年だったかなあ。たぶん19歳ぐらいじゃないか?」
「じゃあもうすぐ成人式じゃねえか。あ、今は18歳だっけか?」
「そうそう、俺がこっちに追いやられる前に成人の儀を行ってやったぜ!今でもあの声が忘れられねえんだ!」
うわ、やっぱりこいつ黒か?
「ほうおう、その子は女?」
「ああ、だがよう、それが罠って気が付かねえだろう?ついでに言えば男はいらん。」
男はいらんって、どうしたんだ?
「もしかしてあんた、実の子を妊娠させたとか?それと男が生まれたらどうしてたんだ?」
「いいだろう?相手は人間じゃねえ。しかしさあ、まさかあんな手で拘束されるとは思ってもみなかったからなあ。ああ、男が生まれたらか?そんなの知らん。」
うわ、ろくでもねえ。で、知らんってどうなったんだ?母親任せ?
「なあ、あんた実の子を支配してここに送り込んでいたのか?」
「そうだが何か問題ある?相手は異世界のバケモンだ。だが見た目は美少女だったんだよなあ。で、こちとら勇者として召喚されたんだ。ばっちりスキルを使って・・・・何しやがる!」
俺はおっさんを埋めた。
もう容赦しない。これ以上聞くのも嫌だ。
【おい!何で埋めるんだ?相手は人間じゃねえんだぞ?】
ごめんなさい・・・・誰だっけか?ディアナさんだったか?彼女は正しかったよ。
もう地中深く、それこそ
腐海の影響すらない場所に封印したい気分だったんだよ!
途中、砂の層があるから自力で這いあがるのは困難だろう。
魔法が効かなければ物理的に埋めるだけさ。
あいつに直接効かなくても、周りには効くだろう?
もう一生あいつのツラを見たくねえが、ディアナさんのお話を聞いた後では、どうなるかわからんな。
そういう事で、ガン▼ップ・・・じゃない、ポチに乗っていくか!
【何だそのガン▼ップとやらは?】
どうやらポチは気になるようだ。
「気にすんな。それより行くぞ!場所は分かるよな?」
【誰に言っているのだ。我の背に乗ったら向かうぞ。】
「ポチ、あんたもいい加減、自分がドラゴンだってクーンに伝えなさいよ!」
ポチの背に乗ったヤーナが何かを言っている。
ドラゴンがどうのこうの。いやあ、どう見てもトカゲだろう?
【あの調子で我をトカゲと思い込んでいてな。何をどう伝えても駄目なのだ。あれの頭はどうなっておるのだ?それにあれの能力は色々おかしい。】
「色々おかしいのは出会った時から気が付いているわ。じゃあポチ宜しくね!」
失礼な!
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