第174話 色々と違うようだ

『私の名はディアナ・ファン・デン・エンデ。カルラ・ファン・デル・プラート様をお守りしている。さて、折角ケダモノのアレを封印したというのに、なぜ解き放ったのだ?奴隷?それは本当に奴隷になっているのか?あのケダモノは一切の魔法が効かなかったたうえ、物理的な攻撃も受け付けなかったのだ!突如城に侵入し、自分は勇者だと喚いた挙句に手当たり次第に女官を犯し、妊娠させたのだぞ!』


 聞いていた話と違うぞ?

「あいつが言っていた事と随分と違うぞ?」

 あいつは奴隷になっていないのか?それともそれを防ぐ何らかの手段を持っているとか?


『あのケダモノは身体をいくつにも分けているのだよ。恐らくクーンとやらが奴隷にしたというのは身体の一部だろう。ケダモノは後でその部分だけ取り除けば自由の身だ。』


 なん・・・・だと!

「じゃああんたらは・・・・」

『先ほどディアナ・ファン・デン・エンデと名乗った。名で呼んでもらいたい。』

「じゃあディアナでいいか?どうやってあいつを?」

『そもそもあれを封印しただけだ。それもカルラ様がスキルを使えるようになってようやくなのだ。で、危険を察したケダモノはあれを体内に収めたまま、自らの子を用いクーン達の居る大陸にちょっかいを掛けていたのだ。正確には自身が孕ませ、子を産ませていたのだが、その子に精神を支配されている。因果応報とはよく言ったものだが、こちらは被害者ななのよ。』

 もはや意味が分からん。


 つまりあれか?あのおっさんは嘘を言っている。

 召喚された部分だけは嘘ではないようだが・・・・それと、誰かに魅了されて捕らわれた?とかなんとか言っていた気もするが、これもウソ・・・・ではない。

 だがその経緯や、そこまでの年月に違いがある?


 確か召喚されて直ぐと言っていたよな?その後20年間・・・・もしかして逆の事を言っていたのか?

 20年好き勝手して、最近捕まったのか?

 どうすんだよこれ。俺引き受けちゃったよ。


「なあ、一度どっかで直接話は出来るか?」

『何?貴様もカルラ様狙いか?』

 なあ、泣いていい?

「会った事もない奴をどう狙うんだよ!」

『・・・・では私がそちらに向かおう。』

「あんたあのおっさんを制御できるのか?」

『できていたらこんな事態にはなっていない!』

 あ、開き直った。

「じゃあポチと共にそっちに行くよ。俺と・・・・ヤーナとで向かう。おっさんはどっかに埋めておく。」

『わかった。では準備をして待っている。』

 さて、更なる面倒事を抱えちまった。どう解決するか悩むな。

「ねえ、何勝手に決めているのよ?」

 うわ!しまった!ついヤーナと一緒に行くって言っちまったが、ヤーナに確認していなかった!

「・・・・まあそんな感じで頼むわ。」

「うわ!端折ったわね。まあ隣で聞いていたからいいけれど。」

 よかった。じゃあ行くか!


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