第157話 ニールスにい達と合流

 異変に気が付いたのは俺達だけではなかったようだ。


 少し進むと、ニールスにい達が周囲を警戒しているのが見えた。

「クーンも異変に気が付いたのかい?」

 ごめん、ニールスにい。その当事者と連れです。


「ニールスにい、これを。」

 今更だけど、声を出すのはまずいと思って手紙を見せる。


 手紙を見るニールスにい。

「こ、これは・・・・王妃様の手紙かい?もう夜だしそういう事なのかな?」

 何だか変だ。今は確かに夜だが・・・・あ!手紙には表と裏があったんだった。確か王妃様がヤーナが夜来ると言うのは云々って記載があったな。

「そっちは単なるいたずら。表を見てほしいんだよ。」


「すまないね。ちょっと衝撃的だったから。で・・・・なるほど。パーティーメンバーに見せても?」

「そっちだけなら。」


 ニールスにいは自身のパーティーメンバーに手紙を見せていた。


 暫くして、

「で、どうするんだい?」

「今から異変の大元となった魔道具を回収、若しくは無効化させに行くよ。できればその手紙・・・・目標を監視してほしいんだけど。可能だったら拘束か無力化かな。ただ、普通に拘束しても逃げられる可能性があるから状況にもよるけれど、細かい判断は任せるよ。」


「同一人物と思うのかい?」


 声を出して全部言えば、相手に感づかれる可能性があるから憶測で喋っているけれど、多分同じ認識をしていると思う。今の所話がかみ合っているし。

 なので知らない人が聞いたら変な会話に感じるだろう。


「分からないけれど、もしかしたら何処かに本体がいて、それを何とかしない限り繰り返すのではと思う。」

「そうか。だがまずは魔道具か。さっきの異変は魔道具なのかい?」

「ヤーナが精霊を召喚し、周囲を探ってもらっていたら、どうやらその魔道具にやられちゃってね。放置すればどう影響が出るか分からないから、今のうちにどうにかしたいと思って。」

「このままだとまずいね。よし、大々的にやってしまおう。今からこの領地にいる全員を外に出す。変な動きをしたら即拘束するってね。お父さん達にも伝えるよ。」

 あれ?なんでこうなるの?

 ニールスにいは俺が止める間もなく走り去っていったよ。

 仕方がない。こういう時のシロだ。シロにも協力してもらおうか。

【シロ聞こえるかい?できればわんこ部体に働きかけて、周囲を最大限警戒してほしい。魔力の異変があれば対処と報告をして欲しいんだ。】

【先程発生した魔力の乱れだな。我も気になっていた。善処しよう。】

 さて、止まっていても仕方がない。このまま行動開始だ。

「ヤーナ、行くよ。」

「みんなに知られちゃった!私何もしてないのよ!信じてよ?」

 ニールスにい以外の【雲外蒼天】のメンバーは何やらヤーナを見ながらニヤニヤしているが、放っておこう。


 俺とヤーナは魔道具を探すべくこの場を後にした。

 そしてすぐに魔道具は見つかった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る