第144話 管理するとか
「あんた等の言っている事が理解できん。知識?どんな知識か言ってみろよ!金の管理?初対面の相手、しかも勝手にやってきた連中に任せられる程の信用を、あんた等は得ているのか?そして女の管理だ。何を管理するんだよ!」
その後、【庶民のくせに!こっちがわざわざ下手に出てやったのに!】
【この私を信用できないとかありえない!】とか
【何を生意気な!女は全て私に従えばいいのよ!】とか駄目だこいつら。
「クーンさま、私に考えがありますわ。」
「どうしたフロリーナ、考えって。」
「この人達、このままですとずっと居座る気がしますので、自ら王都へ戻るように仕向けるのですわ。但しあからさまに何かをすれば、またごねるでしょうからその辺りは上手く仕向ける必要がありますわ。」
何をどうするのかと思えば、まずは自分達で寝場所を1から確保し、食事も自分達で何とかするように伝えるのだとか。
寝床に関しては、殆ど俺が建物を【土】で元領地内に作っていたから悩むが、食料等はそうしてもらわないと困るんだよな。
それを伝えたら案の定、
「我等に食事を自ら用意しろと抜かすか!」
「寝場所を確保だと?既に建物が建っているじゃないか!あれを私達に提供するのが当たり前ではないか!」
「私の世話をさせてあげる栄誉を与えてあげるから。早く女を寄こしなさいよ!」
何も理解していないようだな。
そしてまたもや先程の人達が現れ、愚か者共を引っ張っていった。
そしてそのうちの1人が戻って来た。
「も、申し訳ありません。我々は
一瞬何を言っているんだこいつ!と思ったのだが、
「疑問に思うのはよく分かりますが、あの手の輩は放っておくと何をするのか分かりません。したがって、あれらが建物内にずっと留まっていたいと、そう思えるような建物を、他の人々に影響がないように用意をして頂ければ、そう思ったのです。」
これはどういう事だ?
奴等をこの地で受け入れろ、と言う意味か?
「掻い摘んでいえば、管理、そして隔離です。」
つまりどう考えてもあいつ等は邪魔な存在。それを放っておけばますます厄介な事になる。
どうにもならない以上、どうにかするしかないのだが、このままだと暴走し、他人に迷惑をかけまくる。
それを避ける為に、密かにこちらにとって都合のいい場所へ、隔離させるという事か。
成程面白い。
「分かった、何とかしよう。だがあんた等も貴族の子息だろう?いいのかそんなので。」
俺がそう言うと懐から1枚の手紙を取り出し、見せてくる。
どうやら国王からの手紙らしい。
何やら見た事のあるような印が押してある。
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