第95話 商人ギルドで収支報告の確認
その後ドリースさんはストレッチャーに乗せられ、そのままパウラさんの手により何処かへ連れ去られてしまった。
俺、この場に取り残されたんだけど、どうしろと?
折角だ、今ある土でもう1台同じの作っておこう。
そうだ、本をもう一度読んでおこう。
しかしクーンは気が付いていなかった。
基本読み書きができないクーン。
よく使う単語がいくつかと、自身と家族の名前ぐらいしか書けない。
それに読む方に関しても、今まで機会がなかったために殆ど読めない。
それなのに何故読めるのか?
それはこの本が日本語で記載されているからだ。
しかしどうやってメイドさんはこの本を選ぶ事が出来たのか?
残念ながらクーンは物作りに夢中になり、大事な事なので二度触れるが、この事には全く気が付かないまま過ごすのだった。
そしてパウラさんが戻った頃には、1台どころか2台出来上がっていた。
・・・・
・・・
・・
・
「クーン様、台車とトイレ関連及びクランの拠点に関する収支報告ですが、どうしますか?」
パウラさんに言われるも、
「どうするも俺って、字を読めないからなあ。」
「え?その難しい本を熟読されていますが?」
クーンは指摘されて初めて本をまじまじと見る。
今まで考えた事が無かったが、確かに読めている。
あれ?俺はこの世界に生を受けてから、本なんて読んだ事が無いぞ?
よく見ると日本語じゃないか。
何でこの世界に日本語で書いた本があるんだ?
ひょっとしてこの世界の言語は日本語なのか?
だがパウラさんが目の前に出してくれた収支報告書なる物は読めんぞ。
「パウラさん、それ読めない。」
「ええ??だってクーン様、私の方こそその本のタイトルすら読めませんわ!あまりにも複雑すぎる字ですし、一体何の言語で記載されているのですか?」
「【台車の重要性・物流及び医療に必須の台車のイロハ】ってタイトルなんだが、普通に読めるけど。」
「物流に医療でございますか?クーン様は専門書をお読みになるのですね。あ、それで収支報告ですが・・・・」
この後台車が何台売れたのだとか、【トイレ】が何台とか言っていたが、数が凄くて驚いた!
特に小型で携帯性がある【ウォシュレット】の売り上げが凄すぎて俺は驚いた。
ほんの1週間足らずで1、000台を売り切ったらしい。
【トイレ付きの台車】も100台売ったとか。
一体この短期間でどうやって作ったんだ?
そう言えば依頼で【空気草】や【油草】の採取ってあったっけな。
● ● ● ●
今まで必要が無かったので記載していませんでしたが、この世界のお金を日本円に換算した一覧を用意しています。
スマホの画面ではこう言った表示に限界があり、縦画面では表記が乱れます。この表のみ横画面で閲覧下さい。
若しくはパソコンでお願いします。
銅貨1枚 100円 百円
銀貨1枚 1、000円 千円
小金貨1枚 10、000円 一万円
金貨1枚 100、000円 十万円
大金貨1枚 1、000、000円 百万円
白金貨1枚 10、000、000円 一千万円
大白金貨1枚 100、000、000円 一億円
概ね私の作品において貨幣の価値はこのようになっており、当作品も同じです。
但し他の私の作品の世界の繋がりですが、作品によって関連性があったりなかったりしています。
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「何かご不満でも?」
口頭で説明してくれたんだが、何この金額!
ウォシュレット、1台でいいのか?1個か?まあいい。
あれ1台で金貨5枚、つまり日本円で50万円で売ったらしい。
それが1、000台。
俺の懐には売ってもらっただけで1割入り込むので5000万円。
トイレ付きの台車なんか100台売れたんだが、何と大金貨5枚、つまり500万円で売れたらしい。これも5、000万円。
携帯トイレは台車とセットで売ったようだ。
後は移動手段としての台車も数台、荷運び用のも数十台売ったとか。
そして俺は知らなかったのだが、従魔に曳かせる台車、そう言えば俺ってシロに曳かせていたけれど、その後放置してたっけなあと思ったのだが、どうやらセバスチャンの手により商人ギルドに持ち込まれ、これも売り物としてサンプルとして貸し出していたらしく、従魔によって少しアタッチメントを変更するだけで使えるからと、これも50台ほど既に売ったようだ。
なんだかんだで俺の懐には2億円近い収入があったようだ。ビビった。
それにこの前の戦闘で魔物を仕留めたりしたのだが、後は
「で、これを原資にクランの拠点を購入・・・・って聞いていますか?」
50億って、海外の宝くじでも当たったのか?
俺は暫く抜け殻のようになっていたらしい。
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