第68話 カードの仕組み

 先ほどSide 神で触れましたが、ここで問い合わせや質問のあったカード関連について記載していきます。

 話の後半は城での天馬を起因とする説明があります。




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 カードとレベル・スキル及びポイントについて



 因みに教会でカードを得ればレベルが1となり、得たスキルのレベルも全て1となる。

 これが多数持ちスキルが有利とされる所以だ。


 そしてレベルが上がればレベルマイナス1のポイントが付与される。

 レベル 2に上がれば1

 レベル 3に上がれば2

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 レベル10に上がれば9


 しかしクーンの場合、レベルが12になった時でもスキルレべルの表記は0のまま、ポイントの残高が12。

 一つスキルの場合は得たポイントを全てそのまま使う事になるので、レベル12の時にポイント残高が12となる事はないのである。

 但し例外はある。

 それが賞罰の項目である。


 依頼を達成していけば自然に得られ、犯罪を犯したり依頼を失敗し続けると減る。

 クーンの場合+3、つまりレベルが上がれば+3のポイントが付与される。

 例えば、レベルが12になった時点で賞罰が+3であれば、本来11上がるポイントが+3されて14となるのである。


 これは多数スキル持ちにとっては必須な項目で、これにより自身の所持している多数のスキルにより多くのポイントを振り分け、レベルアップをさせる事が出来る。

 多数スキル持ちはより多くの賞罰ポイントを得ようと躍起になるのである。


 そしてスキルのレベルアップだが、初期値はレベル1。

 レベル2に上げようと思えばレベル分のポイントが必要。

 レベル1から2に上がれば付与されるポイントは1だが、このままではスキルに割り振るポイントは得られない。


 従っていち早く賞罰をより+にさせる必要があり、より強い魔物と戦う冒険者が続出するのである。


 この時急増パーティーを組むと、どうしても多数スキル持ちと少数スキル持ちが同じパーティーに加入する事がある。レベル1のパーティーメンバー同士で特に多いのだが、多数スキル持ちと一つ・二つスキル持ちではレベル1及び2の時に一番実力差が出る。

 この時に無理をすると、少数スキル持ちはどうしても能力的に劣ってしまい、死に至る可能性が大幅に増す。


 これが少数スキル持ちの致死率の高さの原因なのだが、単に少数スキル持ちは弱い、と認識されてしまうのである。


 実際少数スキル持ちは時間さえかければ、レベルを上げるスキルに限りがある事を逆手に取り、ひとつのスキルに集中してポイントを投入できる。

 実際単独のスキルレベルだけで言えば、一つスキル持ちの方が強くなるのであるが、実際そこまで生き残る少数スキル持ちがほぼ皆無なので、若しくはそれまでに冒険者を引退するのであまり知られていない。


 こうした事で今まで少数スキル持ちは冷遇されていたのだが、ここ最近二つスキルのメンバーで構成されたパーティーが頭角を現し、今では王都でも指折りのパーティーとして成長している。


【雲外蒼天】

 パーティーメンバー全て二つスキル持ちという、何とも可哀想なメンバー構成なのだが・・・・実際そう思われていたのだが、彼・彼女達は地道な活動を行い、最初の難関を乗り越え、パーティー結成1年が経った頃にはFランクからEランクへと、あっという間にランクアップをし、2年が経った頃にはÐランクへランクアップ。

 3年経った頃、Cランクへと上がったのだが、そのランクアップの速さは過去に例がなく、王族の間でも注目が集まっている。

 しかもどうやらパーティーリーダーの弟妹が別のパーティーを結成、早くも結果を残し、あっという間にEランク。パーティー結成1ヶ月以内という前例のないランクアップで、これにも注目が集まっている。


 そしてこれはまだ極秘情報だが、どうやらクランを立ち上げようという動きがあるという。


 普通に考えれば、運さえあれば低ランク時にはランクが上がりやすいのだが、王家では違う見方をしていた。


 それは何故か。

 1年前、そして今年教会で祝福を受けたそれぞれ王子と王女がいる。

 この2人だが、病気により外出を禁じさせている。

しかしこれには訳があり、王家としては公にできない事案が発生した。


 2人ともあろう事か一つスキルだったのである。

 二年続けての一つスキル持ち。


 これが国民に知られてしまえば、場合によっては王家の求心力の低下を招き、最悪国が大きく乱れる。


 そんな折A級の従魔である【天馬】が手に入った。

 

 まだ誰を所有者とするか決めていなかったので、魔道具にて従魔の管理をしていたのだが、どうした訳か王子がその魔道具を手にし、あろう事かそのまま王女と共に外に飛び出してしまったのだ。


 その前に別の天馬の目撃情報もあり、あり得ない速度で空を駆けていったと。

 そしてそれを追うように王子の騎乗する天馬が駆けて行った・・・・


 城内は右に左との大騒ぎとなった。






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