第38話 まさかの

 結果を言えば2人とも一つスキルだった。


 弟のティーデが【水】スキル、

 妹のヒセラが【風】スキル。


 やっぱり水と風なんだな。

 注:第17話参照

 それぞれ魔法の属性が違い、弟は水、妹は風だ。



 予想はしていた。しかし俺と同じ一つスキルか。

 俺は2人とも打ちひしがれていると思いきや、

「クーンにいと同じになった!」

「クーンにい、私も風だけど、あの女の人とかぶっちゃうね?どうしたらいい?」


 2人とも何故か嬉しそうだ。

 特にヒセラ、なぜそこでヤーナの事を・・・・ってあの2人と同じパーティーになる事前提?


 もしそうだったら困ったな。


 俺が土、ティーデが水、ヒセラとヤーナが風・・・・あれ?そう言えば風魔法ではなく風?

 ヤーナは風魔法だったはず。

 そしてフロリーナが聖魔法。


 これ4人だったら物理がいないぞ。

 剣で攻撃!

 そう、ニールスにいみたいな。

 尤もニールスにいは現状、運送店街だっけ、あれなんか違うな。雲外蒼天だった!

 雲外蒼天と言うパーティーで活躍しているから、しかも多分だけど攻撃の要。


 あ、いかんいかん2人に確認だ。


「ティーデとヒセラ、2人のスキルはそれぞれ【水】と【風】と言ったね。【水魔法】と【風魔法】ではないのだよね?」


 一応確認しておこう。勘違いの場合があるからな。

「うんそうなんだよ!あのおばちゃん困惑していたよ!去年も似たような事があったとか言っていたけれど、あれはクーンにいの事だよね!」

「しかも今回は2人連続で!とか言いながら泣いていたわよあのおばちゃん。」


 俺の土もそうだが、2人の水と風は水魔法・風魔法とどう違うのだろうか。


「これはどうすべきか悩むね。クーンはもう暫くトイレや台車の事で商人と相談があるだろうから、落ち着くまで2人は僕が面倒を見る。その後は落ち着いたら相談だな。」


 結局この日はこれで解散となった。


 俺はこの後色々作成したいので、外で台車に大量の土を入れ確保し、再び王都に戻り商人ギルドに足を運ぶ事になった。


 これすらどうなんだと思ったので、でかい台車を外で作って、荷とする土も固めて崩れないようにした。


 そして外で台車を作っていると、ある少年を見かけたんだよな。


 確か彼はテイムが出来る少年だったはず。


 何やら馬のような生き物を連れてこっちに来たので何かと思えば、

「は、初めまして、そ、そのちょっといいですか?」

 何だろうと思っていると、

「どうしたんだい?困った時はお互い様、最も手助けできる範囲でだけど。」

「こ、今度、も、森にい、一緒にい、行ってくれませんか?」


 俺はへ?っと思った。何だ?コミュ障か?

「危険がないならいいが、そう言うのは依頼を出すかパーティーを組んで一緒に行ったらどうだ?」

 すると何か残念そうな表情をしたのが気になった。


「ぼ、僕、【テイマー】な、なのですが、そ、その、だ、誰もあ、相手ををその、してくれなくて。」


「ああ君って【テイム】の一つスキルだっけ?」

「え?何故僕が本当は一つスキルって知っているんですか?」

 あれ、違った?

「ああ俺が一つだからな。君もそうなんじゃないかと思ったんだ。」

「そ、そうでしたか。僕は二つスキルと認識されているのですが、何故か魔法を得られずテイマーだけなんです。スキルはテイムなのでテイマーと言う職業を名乗っています。」


 さてこの男の子が森に一緒にって、どうしてだ?

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