第6話 兄との再会
俺達全員のスキルの祝福が終わったので、そもそもあれを何故祝福と言うのか甚だ疑問だが。
なあ祝福って何だったんだ?
それらしい事は一切なかったぞ?
司祭みたいな人が、
「其方等に神のご加護のあらん事を、とか誰其れに祝福を与える!」
とかあると思ったんだが、何もない。
ただ流れ作業でカードを手渡されただけだ。
「祝福?何を言っているんだお前。単にスキルの認定じゃないか。」
とおっちゃんに言われた。
すると俺の頭の中で、
【スキルの
とよくわからんイメージが。またあれか?
何か違和感があるが、気にする暇もなく早速冒険者ギルドへ向かうらしい。
どうやら魔物の素材の買取は冒険者ギルドで行ってくれるようだ。
何せ各々自分の荷物を背負っている上に、各村台車1台を押してきていたからな。そこにはそれなりに荷物が積んである。かさばる荷物と得た素材だ。
因みに俺の住んでいる村の台車は俺が作った。
本当ならもっとしっかりしたやつがあったはずなんだが、どうやら最近壊れたらしく、仕方なしに俺が作ったのを急遽利用したらしい。
しかも遠征するつもりで作成した訳じゃなかったから、出発直前に耐久性を増し、長時間の運用でも運搬する人の負担が少しでも改善されるように改良を加えたんだ。
何せこの世界、【ストレージ】というか【収納カバン】というか、そんな便利な【あるある】はない・・・・って何だこの知識は?
いや待て、【ストレージ】とかなんだ?【収納カバン】?
これもおっちゃんに聞くと、
「はあ?何だそれは?カバンの中に大量の荷物を入れて運べる
怒られた。
俺は【異世界あるある】って何だそれ?とか思いながらこれ以上深く考える事をやめた。
そして冒険者ギルドで待つ事約1時間。
ついでにこの間に俺達の冒険者登録をするらしい。
ボーっと待っていると、俺の肩を叩くやつがいる。誰だ!と思って振り向くと、
「クーン!クーンじゃないか!王都に来ていたんだな!」
誰?そう思ったが、
「あ・・・・ニールス
そこには2年前に冒険者になっていた、2つ年上の兄貴が目の前にいた。
「お前もとうとう10歳か。で、どうだった?」
どうってスキルだよな。
「あ・・・・ニールスにい、俺・・・・【土】一つだったよ。」
俺はカードを兄に見せる。
「【土】?うわ!俺も2つだったから苦労しているがクーン、お前1かよ。しかも土って何だこれ。表示がおかしくないか?普通土魔法だろうに。」
「そうなんだよ。なんかスキルを調べてもらっていたおばちゃんも変って言いながらやり直していたんだよ。」
「クーンも苦労しそうだな。だがどうするんだ?一度村に戻るのか?」
「親父にもそう言われているし、道中狩った魔物の代金でこの都市に一泊するらしい。明日戻るって言ってた。」
「わかった。もしクーンが家にいられず冒険者にならざるをえないんだったらまたここに来るんだ。幸い冒険者ギルドでは伝言を頼めるからな。」
「わかったよニールスにい。」
因みにニールスにいは自身と同じく少数のスキル持ちでパーティーを組んでいるらしい。
自身のレベルは12とか。
この世界じゃレベルは100ぐらいまであるらしい。
そうは言ってもレベル50に到達できるのはほんの一握りらしい。
だからニールスにいは12歳ながらレベル12というのはそれなりに高レベルなようだ。
冒険者は平均するとレベル30前後という統計があるとかないとか。
そして個人とパーティーのランクがあるらしい。
Fから始まりE・D・C・B・Aとなり、その後はS。
まあSなんか人外クラス?
Bまで辿り着くのも難しいらしく、普通の冒険者はせいぜいCランクまでのようだ。
ニールスにいは今、Eランクらしい。
冒険者ギルドでは多種にわたる依頼を受け付けているが、ランクによって受ける事の出来る依頼に違いがあるらしい。
何せ駆け出し冒険者、つまりFランクがいきなりドラゴンの討伐に向かっても、ドラゴンに辿り着く前に出会った魔物に殺されるのが目に見えているので、こうした事にならないようにランクによって制限をかけているようだ。
まあ何事にも例外はあるようで、それはいわゆる指名依頼や強制依頼などの特殊な場合で、ランクに関係なく受ける事ができるようだ。流石にあまりにも無謀な場合は冒険者ギルドで止めてくれるようだが。
この後俺達の冒険者ギルドでの冒険者登録はあっけなく終わった。
カードにFランクと記載されていた。
いや、最初からあったっけな。
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