第3話 出逢い
あの事件から時は過ぎ数年後。少女は20歳を迎えた。―――名は
共に村を出た2人は、今までどのように生きて来たのだろうか?―――この残酷で無情な世界で、唯一の救いを求め、抗い、もがき、互いを信じ求め共に背負った罪の意識に苛まれながら。そんな2人の世界を灯す唯一無二の灯火は、優しく厳しい愛に満ち溢れた強い人だった。
ルーロン皆は彼をそう呼ぶ。本名は李
詩織と蒼介は、彼の描く理想に、共感し今、生活を共にしてる。台湾で生まれ、過酷な環境で育ち、悲惨な境遇に苛まれながら幾度となく大切な仲間を、家族と呼べる存在を失いながら、生きながらえてきた。そんなルーロンは2人と出逢った瞬間、自分と似た何かを感じた。
そして彼らを自分の後継者として育てよう。彼らなら自らの人生を切り開いていく力があると確信した。彼らが独り立ちする、その日まで無事に育て上げようと強く心に誓ったのだった。
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