第6話 勧誘やない強制や

「口止めの条件って言うたら、アレやけど…そこの..キョクチ?お前は、俺らの“特装部隊“に入ってくれへんか?」


「…なんかの怪しい勧誘かこれ?」

「…ぽいですね。」

「あ、自分、宗教とかには入らないんで。」


「…君、なんか勘違いしてないか?」


「宗教とかちゃうけどなぁ、少なくとも、これは、“勧誘“とか言う生易しいもんじゃない、“強制“や。」


「いや、でもお前の指示に従う義務はないぞ?」


「いや、ある。これは俺の指示じゃなくて“国家同盟“の長官の指示や。」


「え、まじ?“国家同盟“直々に?」

「…キョクチさん、これ逆らったら首が飛ぶやつですよ。」

国家同盟とは、現実世界で言う“国連“みたいなものだ。国連よりは権力振りかざしまくってるけど。

「…なんで、急にそんな。」


「ん、こっちもようわからんけど。“平和の神“『エイレーゼ』から、お告げがあったらしいで、『魔王軍討伐第七拠点に規格外の汝がおる、そいつが救世主だ。』的なやつや。」


「すごいですね!!キョクチさん、神から選ばれたんですよ?」

「…あいつ。」


「じゃあ、“特部“の拠点行くで。」


面倒臭いことになってしまったな。






「…ここや、まぁまぁデカイやろ?」

まぁ、確かに、ちょっとした屋敷ぐらいのデカさだ。

「ここはなぁ、リベルタ公爵の屋敷やったとこや、今は特部の基地やけどな。」


「…あのさぁ、特部って何する所なんだ?」


「それ説明してないのに、よくついてきたなって思ってたわ。」


「特部って言うのは、討伐隊とか並の冒険者じゃ手につかない、任務とかを遂行する部隊や、年に1人か2人しか選ばれへん。」


「なるほど。」


「お前は、一撃で街破壊できる力を持ってるからな、入ってもろた。」


「ちなみに、僕が、“隊長“やからな、忘れんとき。」


「おい、お前ら、新人や、」



「お、新人か~久々だな、新しく入ってくんのは。」


「え、ちょっと待って、今、ここ4人しかいないんですか?」

どう数えても、隊長合わせて4人。

「でも今日で5人じゃん?多くなったね~。」


「おい、お前ら、自己紹介でもしとけ。」


「あ、じゃあ俺から、」


「スパラニア、ゴリ押し系魔法の使い手だ、よろしく。あっ、ちなみに苗字しか名乗っちゃだめだぞ。スパイが紛れ込んでたら情報流出ってことになるらしいから。」

聞いたことない魔法の使い手にここで会うとは…っていうかスパイ紛れ込んでたら苗字言ってる時点でアウトだろ。

「エリックだ、ポーション大量生産機ではない、よろしく頼む。」

めっちゃ気になる説明入ってんだけど。

「ヴィンデクティブ、幻獣使いだ、よろしく。」

ここに来て、一番まともな人来た。

「で、隊長のリドルや、よろしくな。」

方言と名前のギャップがすごいな。

「キョクチです。魔法の火力がとにかく高いです。よろしく。」


「そやねん、こいつの魔法、火力高すぎて襲撃してきた魔王軍のみならず街まで崩壊させたからな。」


「「「まじかw」」」


なんで、そこはもった?



…忙しくなりそうだな。

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