第7話 規模が違う
「おい、お前ら、仕事だ、仕事。」
隊長は入ってくるなりそう言った。俺の初任務だ。
「仕事の内容は?」
すかさずエリックが質問した。
「うちの国と隣の国の戦争?を止めて欲しいらしいで。鎮静やな。」
…は?参加するとかじゃなくて鎮静?規模大きくね?
「戦場どこ?近く?」
着替えながらスパラニア、ゴリ押し系魔法の使い手が戦場の場所を聞く。
「うーん、こっから100kmぐらいやな。てか、転移魔法ですぐやない?お前の。」
「あ、確かに、距離関係ねぇな。」
転移魔法使えるのか、なかなか高度な魔術を使うんだな…ゴリ押し系にしては。
「準備ok?じゃあ、ちゃんと捕まっとけよ、」
すると、目の前の視界がグニャリと歪み、何も見えなくなった。
ここは…?薄暗い、建物の中か?あれ?みんなは?..
「おい!お前、人間か?」
モンスターか、まぁ、とりあえず。
「…『ブリザード』」
「あぁぁぁぁぁ!!!」
強烈な風魔法をお見舞いしてやった。
「3秒で答えろ、ここはどこだ?」
「“魔王城“」
「…『ブリザード』」
「あぁぁぁぁぁぁ!!答えたってぇぇぇ!!」
「ん?おい、新人のキョクチの野郎どこ行った?」
「そういえば居ないな。」
「おい!!スパラニア…キリト!!転移魔法ミスったのか?どうなんだ?」
「あぁ?俺がミスるわけねぇだろ?ポーション大量生産機ソウマ!!」
「おい、やめろ、『レフトィング』」
(ふんっ、意味ないぜ、ヘイド・ヴィンデクティブ!!!俺は“テレパシー“を使える。沈黙魔法はきかねぇ!!)
「…おい、お前ラァ、物理的に喋れんようにしたろか?」
『コールディー!!』
(あぁ!!喉が、喉が凍って!!いてぇ!!)
(…あいつ、ほんまどこ行ったんか、少し気になるなぁ。)
(おい!!早く、早く、溶かせぇ!!)
『コールディー!!』
(((あぁぁぁぁぁぁ!!!喉がぁぁぁ!!!)))
「クソッ、魔王城?無理無理、逃げたい、っていうか、なんで俺だけ?スパラニアさん絶対ミスったろ。」
窓壊そうと思ったが、壊れねぇ…多分この城自体に強力な結界がかかってる。厄介だな。
「それにしても、護衛の量がなぁ…」
今ので50体ちょいはいったぞ?多すぎだろ。
「やっぱ、城ごと壊してやろうかな…」
今までは、家を壊される、哀れな魔王を気遣い、それは躊躇してきたが。どうせ殺すし、そんな気遣いいらない気がする…
「じゃあ、壊す前に殺すか…」
全力の“索敵“&“魔力生成“
『魔力生成』は、大地、周りのモンスター、ありとあらゆる魔力を持つものから魔力を頂くことによって魔力が枯渇することがほぼなくなるというチート#魔術__スキル__#である。
「絶対こいつだな。」
一つだけ別格の魔力反応がある…周りの奴らは、四天王とかそこらへんの輩だろうな。
「まぁ、魔王倒せば、結界解除されそうだから。他の4体は倒さなくても良いだろう。」
てか魔王自身は何もしてない気がするんだよなぁ、時々暴れてんのほぼ部下だし。
「まぁ、悪いのは悪いんだろうけど。」
壁、邪魔だな。
「このまま、突っ切った方が早いし…『ブリザード!!』」
ただの、“ブリザード“じゃないぞ、一点に魔力を集中させて破壊力を底上げさせた“ブリザード“だ。
“身体強化“で脚力増強!一気に魔王たちの元へ。
「ふぅ、30秒もかかったから、流石に…」
「『臨戦態勢』だよなぁ。」
これまた…ずらずらと、何人優秀な部下いるんだよ…
一方、他の4人は…
「おい!!キリト!動きがいつもより、遅いぞ、どうした!!」
「ちょっと…まだ喉が痛くて…」
「…同感」
「…ちょっとやりすぎたか?」
「「死ぬだろこれ、くそ痛ぇよ」」
「息ぴったりやな、大丈夫そうや。」
「おい!!キリト!最大火力で両軍総崩れにしたれっっっ!!!」
「了解っ!!『アストラス・ポルガトリー!!』」
『ドォォォーーン!!!!』
「…上出来や。」
「“丸焼け“やな。」
『国潰し・完了!』
「さて、あとは、あいつの行方やな…キリト、“全方位索敵“、発動しろ」
「ヘイド…“感覚共有“よろしく。」
「ソウマ、“転移結界“はれ。」
「…隊長、アイツ魔王城にいます。」
「…急ぐぞ。」
『転移』
「はぁ、はぁ…流石に、多すぎるだろ…」
「魔王様には触れさせんぞ?」
このままじゃ、埒が明かねぇ
「あのなぁ…モブはモブらしく…朽ちろヤァ!!!」
(本気で行く!!!!)
『業火の炎・ファイロ・フレイム!!!!」
「「「「「「キれた!?」」」」」
「オルァァァァァ!!!!」
『ズドォォォォォォーーーーーンンン!!!!!』
「魔王城と…同時に朽ちたか…魔王。」
『ズンッ』
「!?」
「俺がさぁ…この程度の魔術で“朽ちる“とか思ったぁ?」
「っテメッ…!!」
『俺、“魔王“だぞ?舐めてんじゃねぇよ、“モブ“』
「!!!」
『お前が…「朽ちろ」よ。』
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