第7話 お風呂場ラッキースケベ

 書類を片付けると、信長は大浴場の様子を見に立ち上がった。


 ――利家が入り終わったら、三馬鹿たちと一緒に俺も入るか。


 そう思って、足を大浴場へと向けた。外と繋がっている渡り廊下を通り、大浴場の建物に近づくと、利家に声をかけようとして、先に戸が開いた。


「これは魔王様、ちょうどよいところに♪」


 ニヤリと笑う慶次だった。何故か慶次は信長の手を握ると、そのままなかへと引き込む。


「おいどうしたんだよ慶次。もうお湯の準備は終わったのか?」

「ええ、ちょうどいまお姉ちゃんが入ったところですよ♪」


 慶次は休憩所を抜け、脱衣所に入り、浴室までは戸一枚だ。


「ちょうどいいってお前、覗きでもさせようってのか? そりゃマズイだろ?」


 信長はスケベだが、流石にそれは利家に悪いと思う。でも慶次は、小悪魔的な笑顔を崩さずに、


「覗く必要なんてないですよ。いいからいいから、ここに座っててくださいな♪ ふふ、お姉ちゃん、いっつもお風呂には飛び込んで入るんですけど、子供っぽいですよね♪」

「その癖なら俺も知っているけど、なんの話だ?」


 慶次に言われるがまま、信長は浴室へと繋がる戸の前に正座した。次の瞬間。


「ひゃあああああああああああああああああ!?」


 浴室のなかから、素っ頓狂な悲鳴が聞こえる。それから、ばたばたと足音がしたかと思うと、ガラリと浴室の戸が開いた。


「利益! あんたこれ水風呂じゃないのっ!? ……へッ?」


 目の前で正座する信長を目にして、利家は仁王立ちのまま頬を引きつらせて固まった。


 信長は、目の前に現れた利家を見上げ、目を限界まで見開き血走らせて固まった。


 利家は、一糸まとわぬ全裸だった。手拭一枚身に着けていない。


 みずみずしく、産毛も生えていない白い肌が首筋から胸、おへそ、下腹、そして、その下へと続いている。


 スイカ大の豊乳が、鍛えられ、ぐっと引き締まった愛らしいへそ周りが、そしてその下に続く清処(せいしょ)と、ほどよく肉付いたふとももが、乙女の隠すべき肌のすべてが丸見えだった。


 ――すっ、げぇえええええええええええええええええ‼


 信長のなかから『利家に悪い』などという清らかな気持ちは消し飛んでいた。全神経を彼女の発育過剰にして未だ発展途上中のカラダに集中させて、灼熱の視線を、乳量等級り級の豊乳に浴びせ続ける。鼻の奥には、血の匂いが充満していた。


 ――凄いよ凄いよ凄いよワンコ凄いよワンコ俺の陳腐な語彙じゃ表現できねぇぞッ!


「……あ……あ……あ……あぁ……」


 利家の顔から、桜色が全身に広がり、広がり切ったときには紅色が顔を塗り潰していた。


「いやぁああああああん! だッめぇええええええええん!」


 利家は両手でたわわなおっぱいと、愛らしい局部を隠して、前かがみになりながら反転、信長に背中を向ける。すると、とびきり安産型のお尻が、信長の視界いっぱいに広がった。


 ――神様ありがとぉおおおおおおおおおおおおおお!


 鼻から熱い血潮を流しながら、信長は利家をこの世に産んでくれた神様仏様親御さんに感謝した。


 利家のおっぱいは、ただ大きいだけでなく、色も、形も最高だった。そしてお尻も、驚くぐらい大きいのに綺麗な丸みを帯びて、絶叫するほど素敵だった。豊乳して美乳、豊尻にして美尻、まさしく芸術の極限極地である乳と尻は極乳極尻と呼んで然るべきだろう。


「なっ、なんでノブがここにいるのよ!? あうっ!」


 肩越しにそう問いかけてくるが、自分のお尻に気づいて、利家は浴室のなかに駆けこんだ。堪能しきった信長は、満ち足りた顔で一言。


「慶次……でかした。あとで好物の松風(焼き菓子)をくれてやろう」

「ふっ、我の力をもってすれば、この程度造作もありません」


 慶次の笑顔は、相も変わらず小悪魔的で可愛かった。

   

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ニワトリが飛べないのは才能でも努力でもなく環境のせいだ! 無能な少年と師匠の出会いが、一人の英雄を誕生させる──。

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