〇読み手視点で見つけた改善点
カクヨムに登録して早半年近く。投稿するだけでなく、他の方の作品も結構読むようになりました。その中で気づいた点になります。
ぶっちゃけ――読み手は名前とか語句とか、あんまり覚えていない!
……という断言は極論ですし、あくまで筆者個人の物覚えが悪いだけかもしれませんが、登場した『ベンジャミン・ディズレーリ』さんや『藤山一郎』さんの諸々を、すぐさま記憶できなかったりします(お名前はwikipediaの「つまみ読み」からお借りしました)。特に後者は『とうやま』なのか『ふじやま』なのかを覚えられないまま、あるいは覚えたもののすっかり忘れてしまったまま読んでいくことは、しこりを残すことと同義ではないかと思います。なんなら離脱理由の一つにもなり得ます。
この辺りの問題は、イラストや声などの文字情報以外でタグづけできる、あらすじのキャラクター一覧まですぐさま戻れる他媒体に比べ、ほぼ文字情報一本で補足する他ないウェブ小説の欠点なのかもしれません。
また一気読みするならまだしも、連載を追うとなるとかなりの期間が空き、暗記した記憶が薄れていくのは自然の摂理でしょう。読んでいる作品は一つだけということでもない限り、同じように追い駆けている作品は複数あれば、多かれ少なかれ発生するネックと言えます。
「ならば人物名鑑を設ければいいんじゃないか」というのも正論ですが、クリックないしタップして確認をし、再びクリックないしタップして戻ってきて読んできたところを探して再開して……となる手間暇は、存外大きいように思われます。
じゃあ人物名鑑などが不要かというと、そうではありません。再度読み始めようと思った際の確認用にもなりますし、多少ネタバレがあってもいいからどんなキャラクターが登場するのか網羅的に見てみたい、という痒い所に手が届く孫の手にもなってくれます。
とはいえ根本的な問題の解消とは至らないので、以下の緩和措置を提案します。
――それは、『役職の冠詞化』と『ルビ振り』です。
「そんなの書き手の常識じゃないか」と一蹴されればそれまでですが、読んでいて実際に大切だと思ったからこその、この覚え書きなのです。
前述の例でいえば、『作曲家のベンジャミン・ディズレーリ』や『
校正されている市販の文芸本ならばいざ知らず、ウェブ小説は作者の采配が九割を占めます。ライトノベルにありがちな特殊ルビ(とあるシリーズの『
くどくならないように……というバランスは難しい限りですが、過ぎたるはなお及ばざるが如しと言いつつ、大は小を兼ねるとも言います。余程頻出しなければプラスに働いてくれるのではないかと思いました。
この気づきを得たことで、改めて「文章とは伝達情報である」と感じました。うまい文章の書き方は多々ありますが、ここまで初歩的となると最早どこにも書いていないんじゃないかとも……。しかしながら名前というラベルを分かりやすく貼ることは、ユーザビリティの根幹にも通じる要なのかもしれません。
読みやすさの第一歩、それが『役職の冠詞化』と『ルビ振り』だと思います。
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