〇ストーリーのチェックポイントを作る


 前章まででは、物語の土台となる設定作りでしたが、ここからはそこに支柱を立て、肉付けしていく基盤を作ります。


 ストーリーの構築方法では、学校でも習う『起承転結』、有名な『三幕構成』などがありますが、それを見て書けていればここまで読み進めていないと思います。先んじて述べると、『起承転結』というよりは『起承/転結』、『三幕構成』というよりは『二.五幕構成』と呼べるかもしれない感じになりますが、真面目なプロット構築を説くつもりはさらさらありません。なにより筆者自身が知りたいくらいです。


 つまるところ本章におけるチェックポイント作りは、その序盤と中盤→終盤の展開を、既存作品から取り入れます。

 要は、「これいいな!」「活かせるな!」と思った既存作品の展開をモデル化し、序盤と中盤→終盤のチェックポイントに埋め込み、プロットにします。


 ……ええ、またしても既存要素の取り入れです。


 ストーリーにおいて様々な展開があるのは定番ですが、実在する作品ほど生きた教材はないでしょう。なにより自分では思いつかないような「この展開は凄い!」と思ったものも、参考にできるのは強みです。そのまま取り入れても劣化コピーに成り下がってしまいますが、凄い展開のなにが凄いのかという関節、あるいは支柱部分を抽出し、モデル化できれば、自分の作品の生きた血肉にできます。

 「実は戦っていた怪物は、人間の成れの果てだった!」「実はこの世界は仮想現実だった!」「幼少期約束を交わした少女は、メインヒロインではなかった!」などは、既にモデル化、及び共有をされた定番展開と言えるでしょう。


 序盤は『物語の始まり・目的の提示』を、中盤では『順風満帆からの挫折』あるいは『前提が崩れるような衝撃の事実発覚』が起こり、終盤で中盤に起こった出来事の解決が行われる……これでざっくりとした大枠ですが、ストーリーの流れは組み上がるのではないでしょうか。


 無論、中盤→終盤の展開が唐突にならないように伏線を序盤から散りばめる手間暇や、チェックポイント同士をどう繋げるかに頭を悩ませる必要はあります。しかし既にある作品の展開、更に言えば自分で「この展開は凄い!」と思えたものを効果的に取り入れられれば、ショボい展開だと自虐してモチベーションが低下するのを防げます。

 このためには多くの物語に触れている必要がありますが、喜ばしいことにストリーミングやレンタルなど、物語と出会うのに事欠かない世の中となりました。そもそも物語を作ろうと立志する人間は、少なからず物語に触れているはずです。同ジャンル同テーマの作品はなによりの参考文献ですし、自分が好きなアツい展開・泣ける展開は、輪をかけて大事な要素です。好きなものがある、それだけで筆は進み、モチベーションは保たれますから。


 以上でプロットが概ね出来上がり、いざ鎌倉と書き始めるところですが、それでも筆が止まりかねないのが世の常……更に重ねてモチベーションの低下を防ぐ方法が二つあるので、そちらを次章で述べていきます。

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