〇作品の種を作る
まず作品の種――書こうとしている『ジャンル』と『テーマ』を定めます。
「今流行りのジャンルは異世界ファンタジーだ」とか「キャラクターの魅力で牽引しやすい恋愛ドラマがいい」とか、そういうのはありません。
必要なのは『好きなもの』、
ただそれだけです。
たとえどんなに世の中で流行っていようと、自分が書く意欲を持てる対象でなければ書けません。無理です。それでも書ける方がプロとなり得るのでしょうが、本著においては『読んでもらえる小説』より『書いていられる小説』です。というよりも、既にそれだけの力を兼ね備えている方にはこのような備忘録、釈迦に説法でしょう。
では、どう取り扱うのかといえば、その『好きなもの』の中から『ジャンル』と『テーマ』を選出します。
『ジャンル』は、前述の異世界ファンタジーや恋愛ドラマなどの、作品のカテゴライズです。
たとえばSFと一口に言っても、近未来のサイバーパンクな世界観なのか、宇宙規模の架空戦記ものなのかでも大きく分かれます。必ずしも細分化しなければならないというわけではありませんが、前述のようにある程度どういった世界観なのかが絞られていた方が、より方向性が定まるでしょう。
そして『テーマ』は、キャラクターがなにを行うかのポジションです。アイドルものや旅行、料理などです。
身も蓋もない言い方をしてしまうと、自分の性癖から引きずり出してください。こちらも、その対象事物がどう転がっていくのがいいか……アイドルといってもご当地に根差したものなのか、芸能界を舞台にしたスキャンダラスなものなのか、アイドルをプロデュースする側なのかまで絞られていた方が、より方向性が定まるでしょう。
上記『ジャンル』と『テーマ』を組み合わせる……するとどうなるか?
「書いていて楽しくないから苦痛」や「知識がないから調べて補うので手一杯」といった、モチベーションの低下を軽減させることができます。
まず一番に避けなくてはならないのは、「面白くない」ではなく「書けない」「書けなくなる」です。面白さ云々以前に元も子もありません。軽減できるのであれば、進んで行うべきだと思います。
また一家言あるようなジャンル・テーマを組み合わせることで、多少ありふれた題材だろうと、語られる中身で差別化を図れるかもしれません。あくまでこちらは副産物的なものなので、大きく期待しない方がいいですが……。
とはいえ、これで「どんな世界観で」「どんな人物が」「なにをするのか」というストーリーや登場人物の雛形――作品の種が生まれました。
続いてこの種を媒介にして、設定を生み出していきます。
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