番外編 久しぶりに雪が降った日③

「広葵くん。今日は寒いね。」


眠くて、机に突っ伏していると、俺の大好きな人、なずなさんが話しかけてきた。


「あ、躑躅さん、こんにちは。」


まず俺は、躑躅さんにそう挨拶をした。


「まあ、昨日の夜、雪が降っていたし、寒いよね。」


この時の俺は、混乱していた。寝起きである上に、好きな人に急に話しかけられたのだから。


「いや~、それにしてもこのあたりに雪が降ったのって、いつぶりだろうね。……広葵くんは、雪って好き?」


なずなさんは俺に聞いてきた。


「雪は大好きだよ‼」


これは、なずなさんが好きだから、気を使って言ったとか、そういうわけではない。

優奈に、あの出来事を話されたから言うけれど、俺は雪が大好きだ。本当は、小学生たちに交じって、雪合戦とかしたい。……まあ、周りの目が気になって、そんなことはできないけれど。


「私もね、雪って大好きなの。……雪の降る中でデートとか、すっごくあこがれる。」


どこか遠くを見ながら、なずなさんはそう言う。

きっと、好きな人と、自分がデートする姿でも、想像しているのだろう。

……なずなさんが想像しているのが、俺だったらいいな。


「確かに、雪の降る中でデートとか、すっごくロマンチックだね‼」


もし、それがクリスマスとかなら。

そんなことを考えてしまう。

クリスマスの日、大好きななずなさんと、デート。

二人で、『寒いね』とか言って、手をつなぎ、さっきのように、マフラーを共有しながら、イルミネーションを見る。そうしていると、いつの間にか、空から雪が降ってきて……。

うん。こういう展開とか、すっごくあこがれる。

……まあ実際、小説の世界とかでしか、そんなことは怒らないんだろうけど。

そんなことを考えながら、なずなさんとの談笑を楽しんだ。


____________________________________________________________________________


ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

また、機会があれば、こういう話も書いてみたいと思ってます。

いつも、僕の作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。

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