②ー⑥ 日奈、ひ〜くんの彼女になれるように頑張る‼︎

「な〜ちゃん。優奈と、何を話してきたの?」


教室に戻ってきて、自分の椅子に座ったなずなに俺はそう聞く。……すっごく気になる。いや、さすがに過去の話をしてると思うんだよ。それくらいわかるの。でもさ、それがどれくらい恥ずかしい話なのか知りたいじゃん⁉︎どんな話をしたのか、すっごく気になるじゃん‼︎

そう思って聞いてみた。聞いてみたのだが、


「ごめん、ひろくん。その話はできないや。ちょっと……いや、かなり恥ずかしい話をしてきたから。」


……え⁉︎なに、そんな、教室で話せないような話を聞いてきたの⁉︎それに恥ずかしいって。優奈、どんな話をしたんだよ⁉︎

う〜ん。優奈に聞こうと思ったけど、多分優奈、答えてくれないんだよな〜。口に出すのも憚られるような話をした場合は、俺に怒られるのはわかってると思うし。

……誰か、答えてくれそうな人いないかな?う〜ん。あ、そうだ、日奈とかどうだろう?

そう思った俺は、日奈のもとへと向かう。……日奈、相変わらず話しかけるなオーラ出してるな。


「日奈、後で大事な話があるから、屋上にきてくれないか?」


なずなが教室で言えない内容なら、日奈も教室では話せないだろう。そう思った俺は、そう言った。すると日奈は、


「日奈じゃなくて、ひ〜ちゃん‼︎ひ〜ちゃんって呼んで、ひ〜くん。」


……日奈さん。急にどうしちゃったの⁉︎なずなさんもそうだけど、今日全体的に、俺の周りの女子、ヤバくなっちゃってない⁉︎久しぶりの学校だからってテンションあがっちゃったの⁉︎いや、それにしてもやりすぎだろ‼︎

そう心の中でツッコミを入れる。

口に出してツッコむ勇気はないからね。


「ひ、ひ〜ちゃん。話があるから昼休み、屋上に来て。」


戸惑いつつも、俺は日奈に向かってそういう。

……それにしても、入学式の日から、午後の授業があるうちの高校、本当に終わっている。


「うん。わかったよ。ひ〜くん。」


そう言って日奈が浮かべた笑顔は、太陽の光を浴びながら、まっすぐに育ったひまわりのように輝いていた。あまりの輝きに、驚き、見惚れてしまった。なずなという、心に決めた人がいるのに、友達以上恋人未満の未来のお嫁さん、なずなさんがいるのに、俺は日奈のことを可愛いと思ってしまった。不覚にも、付き合いたいと、ずっと隣にいて、この笑顔を守っていたいと思ってしまった。

日奈の可愛さは、俺にとってあまりに予想外すぎて、なずなさんに


「ひろくん?何で私以外の女の子と、仲良く話しているのよ‼︎」


と、怒られるまで、魂がどこかに飛んで行ってしまっていたのだ。

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