第4話 「大忙し⁉清掃活動」

こんにちは、噺です。4話です。お願いします

前回はクールな委員長の意外な側面が明らかになりましたがどうでしたでしょうか?

今回はどんなことが起きるのか私としても楽しみでございます。

ではどうぞ。




「ええ~オッホン、今日は毎年恒例の清掃活動です。眠たそうな人も何人かいますがしっかり綺麗にするように。それから~」

「正直言ってかなり面倒くさいよな。」

優極が涼に話しかける。

「わかる。みんなやってるから真面目にやるしかないけど。」

「まあな。やるからには本気でやろう」

「え~注意事項はこれくらいですね、では皆さん張り切っていきましょう。」

「優極、6班だったよな?」

「おう。」

「俺5班だからあっちだわ、また後でな」

「おう。また帰りにな」

「また帰りに」


「皆さん。僕たち6班はここの公園を清掃します。あとはぐれないようにお願いします。探すのが面倒なので、ではしっかり頑張りましょう。」

「よしやるか。」

優極は気合を入れ公園のゴミを次々と拾っていく。

「我ながら神業だな。」

「何一人で喋ってるんですか?」

「冬川!?何でここに?」

この人は冬川冷、優極の一つ下の後輩であまり感情を見せない大人な子です。

「何でって掃除ですよ。」

「一年は神社と商店街周辺のはずだろ?」

「先輩いちいちそんな事気にしてたらキリがありませんよ?」

「いや大事なことだろ.....」

「色々あるんですよ。女の子には」

「まさか道に迷ったとか?」

「・・・・。」

冷は目を逸らし落ちているゴミを拾う。

「図星みたいだな。」

「そんなことより、掃除しないと怒られますよ」

「話逸らしたな?」

優極たちは清掃を続ける。

「・・・私考えたんですけど、私たちは今こうして街を掃除しているわけですが結局また汚れるということを考えたら、この清掃活動には意味がないと思うんですが、どう思いますか?先輩。」

「あんまりそういうの考えてないな。やらないといけない行事だからやってるだけだよ。」

「そうですか...」

「よくわからないけど、また汚れるとしても一旦綺麗にするっていうのが大事なんじゃないか?」

「・・・。」

「確かにそう思う気持ちもわかるけどな、誰かがやらないといけないんだよ。」

「先輩っていい事言いますよね。」

か.....」

「そういう所いいと思いますよ」

「なんだよそれ?」

「皆さーん集まってください。次の場所に行きますよ」

優極たちは先生の指示に従い集合した。

「ん?あなたは一年生ですね、なぜここにいるのか分からないですが....まあいいでしょう。あなたもついてきてください」

「わかりました。」

「次はこの駅周辺を掃除します。少し広いですが頑張りましょう。」



「先輩って好きな人とかいないんですか?」

ゴミを拾いながら冷が言う。

「そういうのよくわからないんだよな」

「高校二年生なのに?」

「うん」

「そうですか」

「何でそんなこと聞くんだ?」

「ただ気になっただけですよ」

「そういう冬川はどうなんだ?」

「私ですか?いますよ、好きな人」

「へぇ~意外だな。冬川もそういうの興味ないと思ってたよ。」

「私も女の子なんですよ」

「確かにそうだよな。恋の一つや二つするよな。」

二人は清掃を続けた。


「え~皆さんお疲れさまでした。街も大変、綺麗になったと思います。今日はこれで終了となります。」

校長先生が続ける。

「あと最近で変質者の目撃情報が絶えないので皆さん充分気を付けて下校してください。」

「涼、帰ろうぜ」

「おう」

夕暮れの空を背に優極と涼は帰路につく。

「やばくね?俺たちの班、用水路とか掃除させられてびしょ濡れになって」

「それは災難だったな。」

「しかも派手に転んでしまって、膝もすりむいてもう絶望した。」

「俺は延々とゴミ拾いの刑だったわ。」

「それもしんどいな」

「びしょ濡れよりましだろ。」

「それはそうだな」

二人は今日の話で盛り上がる。何気ない日常、だけどとても大事な日常

「しゃあな」

「おう」

涼は自宅のドアの前で優極に手を振る。

涼が家に入るのを見届け優極も家に入る。

「今日も酷く疲れた。」

お疲れ様です。

「今日もい解説でしたよ。」

ありがとうございます。

「噺さん。」

はい?

「好きってどういうことだと思います?」

難しい質問ですね.....ある一説によると『愛』というものは性欲から来るものだと言われてたりもします。

『好き』というのは人の数だけあると思うので優極くんは自分なりの『好き』を見つけていけばいいと思いますよ。

「そういうもんですかね?」

そういうもんですよ

「そうですか....」

優極は不服そうな面持ちで部屋に向かった。

「噺さん、めっちゃオススメですよ。この漫画」

ほう、どういう漫画なんですか?

「主人公がめちゃくちゃひどい目に遭うんですけど、何度も立ち上がるんです。ひどい目に遭う度何度も立ち上がるんです。」

いつか読んでみたいものですね。

「マジでおもしろいですよ・・・わっ!?」

いきなり膝の上に置いてあった携帯が大きい音声と共に揺れる。

「もしもし」

「もしもし~優くん」

「夕火?どうした、こんな夜に」

「あのね、明日わたしのお買い物についてきてほしいの」

「買い物?」

「えっとね~わたしってドジでしょ?だからついてきてほしいの」

「わかった。」

「ほんと!?ありがとう~じゃあ明日の10時に優くんの家に行くね~」

「待ってるわ」

「うん!!」

優極くん、良かったですね。

「何がですか?」

休日に女の子と二人で買い物。完全にこれはデートですよ!!!

「多分そういうのじゃないですよ」

分かってないですね~優極くん!!これは誰がどう考えてもデートですよ。

「テンション上がってません?」

そりゃ~上がりますよ!ほら優極くん明日に備えて寝ないと!

「わかりましたよ.....」

そう言われた優極は部屋の電気を消しベットに潜る!!

「解説の声も興奮してるじゃないですか....」



おっと!!ここまでですか⁉第4話。

私、語り部という存在でありながら興奮してしまいました。

非常にお恥ずかしい限りでございます。今ここに謝罪をさせていただきます。

私、このような甘酸っぱい青春が大好きでありまして本当にお見苦しいものを見せました。

さて次回は優極くんと夕火ちゃんのデート回であります。お楽しみに!!

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