第3話 「クールビューティーな彼女」

みなさん‼ご機嫌いかかでしょうかああ‼噺でございます‼

柄にもなく、元気を振り絞っておりますが第3話でございます!

前回は優極が寝たところで終わりましたが今回の話も楽しみですねぇ!

そういうところで第3話ですどうぞ!!!!!




声が聞こえる......。誰の声だろう.....。

ずっと昔から知っている気がする。

「痛い痛い。」

助けを求めてる声だ。助けなきゃ。

「なぜ俺がこんなに苦しまないといけないんだ。誰を憎めばいい?何を呪えば俺は救われるんだ。教えてくれよ‼」

なぜだろう、この声を聴いてると喉の奥が苦しくなってくる。声の主の痛みが直に伝わってくるようなそんな感覚に陥る。

「なんて.....なんて.....残酷な命だ。もう消えてしまいたい。」

.........。



「わっ」

目覚まし時計の音が部屋に鳴り響き、優極がベットから飛び起きる。

今日は寝坊しませんでしたね。

「おはようございます。噺さん」

おはようございます。

優極は制服に着替え下に降り、焼いた食パンを咥え自転車に乗り込む。

この調子だと間に合いそうですね。

「はい。余裕ですよ。」



優極は教室に着き自分の席に向かう。

「よう優極、今日は間に合ったな。」

「普通に危なかったわ」

隣の席の涼と談笑をする。いつもの光景だ。いつもと何も変わらない日常

「話しているところ申し訳ないのだけれど昨日のHRのプリント出してくれない?」

「あ、委員長。」

この女の子は花園理華はなぞのりか優極達のクラスの学級委員長で厳しくしっかりとした子です。

「ごめん、忘れてた。これプリント」

優極と涼は言われた通りプリントを差し出す。

「はい、確かに受け取ったわ。」

理華はプリントを受け取ると優極たちの元を去っていった。

「かっけーな、委員長。クールビューティーって感じだ。」

涼はえらく関心した様子で言った。

「噂によると学校中に委員長のファンがいるらしいぞ」

「そんなこと言って優極、お前も気になってるんじゃねぇのか?」

「今は恋愛だとかはよくわからないかな」

「そうだよな。俺もよくわかんね。」

優極と涼が談笑を続けているとチャイムが鳴った。今日の学校が始まる。



「我思う、ゆえに我あり。フランスの哲学者の言葉です。個人的にとても好きな言葉なので、皆さんにもぜひ覚えてもらいたいです。」

先生の声とチョークの音が教室に響く。

どうやら社会学の授業をやっているようだ。

「その言葉、どういう意味なんですか?」

ひとりの生徒が手を挙げ質問を口にする。

「いい質問です。」

「皆さんはこれから生きていく中で沢山の疑問と多くの体験をすることになることでしょう。そんな時に皆さんは色んなことを想うと思います。喜び、怒り、哀しみ、楽しさ、その思いは皆さんが存在してるから思うことなのです。つまりどれだけ辛いことがあっても、どれだけ苦しい思いをしても、自分という存在だけはそこに存在しているということです。」

少し難しい話を聞きながら生徒たちはノートをとる。

「さて今回は少しばかり難しい話をしました。皆さんがどんなことを思ったかは分かりませんが、その思いは皆さんが皆さんたる所以です。是非とも大事にしてください。はい少し早いですが授業を終わります。花園さん号令をお願いします。」

「気を付け、礼。」




「昼休みか...。涼も先生に呼び出しくらってたしな、眠いし寝るか。」

優極はそう呟き外に出る。

「よし」

どうしてここに来たんですが?

「噺さん、話しかけないでくださいって言ったじゃないですか?」

すみません。どうしても気になって。

「誰もいないみたいだからいいですけど....」

「ここは凄く寝心地がいいんですよ。」

寝心地!?

「そう、寝心地」

そう言い優極は花壇の奥の茂みに入る。

そこには小さなスペースがあった。

「では寝ます。」

おやすみなさい。



「にゃ~」

「どうしたんですか~猫ちゃん。迷子ですか~。」

優極が眠り始めてから10分ほど経つと花壇のほうから話し声が聞こえてきた。

「にゃ~んにゃ~ん、猫ちゃ~んおいで」

「ん?」

優極は眠りから目覚め微かに聞こえる話し声に耳を傾ける。

「にゃん♪にゃん♪」

「この声は.....!?」

「よしよし~かわいい子でしゅね~」

「誰だろう?」

優極は茂みの隙間から花壇の方を覗く。

「かわいい~」

「委員長!?」

「誰!?」

普段の彼女からは考えられない状況を前に優極は思わず声が出る。

「出てきなさい!!」

優極は言われた通り茂みから出る。

「藤原君!?....覗きなんて趣味が悪いわね」

「ごめん、そんなつもりはなかったんだ。」

「なんでここにいたのかしら?」

「ここで少し昼寝を....」

「そう....」

「委員長って猫が好きなんだね。」

理華は頬赤らめ優極を睨んだ。

「・・・ないで」

「なんて?」

「私がここにいた事は誰にも言わないで!!」

「心配しなくても誰にも言わないよ!」

「あなたはここで誰にも会わなかったし、私も誰にも会ってない!!いいわね!?」

「う、うん。わかったよ。」

「ここで寝るのは結構だけど、授業には遅れないでね!!さよなら!!」

そう言い残すと委員長は逃げるようにこの場を去った。 


「てか五限目、体育じゃん。急がないと」




おっとここで終わっておりますね。いかがでしたでしょうか?第3話。

優極くんの楽しそうな学園生活はまだまだ続きます。

頑張れ優極‼負けるな優極!!。・・・どうですか?次回予告みたいでしょ?

ってことで次の話もお見逃しなくお願いします。





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